成年後見(法定後見・任意後見)、高齢者等の財産管理

後見の申立をした(後見制度を利用した)場合のデメリットはなんですか?

12月 20, 2023

被後見人(後見人がついた本人)は、会社の取締役に就けなくなったり、弁護士や医者等の一定の資格に就けなくなるといった資格制限があります。

なお、成年後見制度の利用が一旦開始されれば、本人の症状が回復するなどの特別の事項がない限り、後見制度の利用を止めることはできなくなります。
つまり、一般的には本人が亡くなるまで長期にわたる後見制度の利用が前提となりますので、それなりの心構えが必要になるといえます。
さらに、後見制度の利用が開始されれば、本人の資産はすべて裁判所(あるいは後見監督人)の管理下に置けれ、後見人であろうと自由に消費することはできなくなります(あくまで本人の利益のためだけの出費に制限されます)。
例えば、本人が認知症発症する前の元気な時に子供に住宅資金や学費分を生前贈与する意思を表示していたとしても、実行される前に認知症が発症し、後見人が就いてしまうと、もはや生前贈与はできなくなります。
生前贈与や寄付、親族への貸付等は、本人にとって、また本人の財産維持にとって不要な行為と見ることができますから、裁判所は特段の事情がなければこれを認めません。
以上を踏まえ、後見制度の利用には、きちんとした環境整備と後見人としての予備知識、心構えが必要になることを充分にご認識ください。

★総務省ホームページ「成年被後見人の方々の選挙権について

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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