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家族信託の受託者が信託報酬を受領することはできますか?

2月 6, 2016

後見人による預貯金の財産管理で注意すべきこと【法定後見】信託報酬受領の可否のポイントは、受託者が「営業目的をもって、不特定多数の人から反復継続して信託業務を引き受けるかどうか」ということになります。

結論から言いますと、家族・親族が個人的に受託者となる場合であれば、信託報酬をもらうことは問題ありません。

 

「民事信託」は、営利を目的とするプロの受託者に預ける信託(=「商事信託」「営利信託」と言います)ではない形、つまり営利目的でない(非営利の)信託の形を言います。
従いまして、受託者が報酬を一切もらってはいけないという意味ではありません。
言い換えると、信託報酬を受領する行為が信託業法違反になる訳ではありません。

信託業法は、プロの受託者を規制する法律ですので、不特定多数の方から反復継続的に財産を預かる可能性の低い家族・親族が受託者になっても、信託業法の対象にはなりません。

つまり、家族・親族が受託者となって財産管理をすることに対して、その信託業務の対価としての報酬をもらうことが可能です(任意後見契約において親族の任意後見人も報酬をもらうことができるのと同様のイメージでしょうか)。
一方、営業目的をもって、不特定多数の人から反復継続して信託業務を引き受け、信託報酬を受領するとなると、当該受託者は信託業法の適用を受けることになります。この場合、信託業の免許が必要になりますので、信託業の免許を持つ信託銀行又は信託会社でなければ受託者として報酬を受領できません。
受託者に株式会社やNPO等の法人、弁護士、司法書士、税理士等の専門職が就任すること自体は制限されませんが、受託者として報酬をもらうことは、信託業法違反になりますので、注意が必要です。

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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