遺言書作成(遺言公正証書作成・遺言執行者就任)

生命保険を活用した“争族対策”・“相続税対策”

11月 19, 2015

生命保険を活用した争族対策・相続税対策については、不在者財産管理人大きく分けて下記の3つの要素があります。

(1)争族・遺産分割対策
(2)相続税対策その1:納税資金対策
(3)相続税対策その2:相続税対象財産の圧縮

今回は、上記3つの要素について、基礎的なポイントを解説いたします。

 

(1)争族・遺産分割対策

生命保険の死亡保険金は、“受取人固有の財産”であって、「遺産」ではあり ません。
この法的性質を活用することで、次のメリットを享受することができます。

(a)遺留分対策に活用できる
死亡保険金は、遺産分割協議や遺留分算定の基礎となる遺産に含まれませんので、現預金で遺す代わりに生命保険金として遺してあげることで、遺留分対象財産をある程度圧縮することが可能となります(や
りすぎると否認される可能性があります)。
そして、この保険金を代償分割における代償金の支払や遺留分相当額の支払の原資にすることで、より効果的な遺産分配と円満な遺産分割を実現できる可能性があります。

(b)相続放棄をしても保険金を受領できる
相続放棄は、相続人としての権利義務一切を手放すことになりますので、1円たりともプラスの遺産を受け取ることはできません。
しかし、相続放棄をしても、生命保険金は受け取ることができます。
つまり、やり方次第では、プラスの資産だけを受け取るような資産承継の設計をすることも可能となります。

 

(2)相続税対策その1:納税資金対策

遺産に占める不動産や未上場株式の割合が大きい方は、相続税額の支払原資に頭を悩ますケースが多いです。
相続発生後に不動産を換価処分をして、納税資金を確保することもありますが、申告期限までに売却するという制約の中、叩き売りをせざるを得ないリスクもあります。
そこで、予め納税額のシミュレーションをしておき、各相続人が支払う相続税額の負担を軽減する意図でを生命保険金を渡してあげるという配慮は、遺される方にとって大きな意味を持ちます。

 

(3)相続税対策その2:相続税対象財産の圧縮

生命保険の死亡保険金は、前述のとおり、法律上の「遺産」ではありませんが、「みなし相続財産」として相続税の課税対象になります。
しかし、相続税の申告にあたっては、下記のとおり法定相続人1人につき金500万円の非課税金額があります。
この非課税枠を上手に利用することで、現預金として遺すよりも死亡保険金で遺す方が相続税の課税対象財産の圧縮効果が見込めます。

   ≪金500万円×法定相続人の数=非課税限度額≫

 

※1:被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部又は一部を被相続人が負担していたものは、相続税の課税対象となります。
この死亡保険金の受取人が相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません。)である場合、全ての相続人が受け取った保険金の合計額が上記の算式によって計算した非課税限度額を超えるとき、その超える部分が相続税の課税対象になります。

※2:相続人以外の人が取得した死亡保険金には非課税の適用はありません。

 

★さらに、効果の高い相続税対策として、いわゆる“保険料贈与プラン”があります。
これは、子や孫が死亡保険(契約者:子や孫、被保険者:親)に加入し、その保険料相当額を親が生前贈与することで、親の相続により受け取った保険金は、子や孫の「一時所得」とすることができる手法です。

詳しくは、保険のプロフェッショナルにきちんとご相談することをお勧め致します。
信頼できる保険のプロのご紹介をご希望の方は、弊所までお気軽にご連絡下さいませ。

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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