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遺産整理・遺言執行を信託銀行や弁護士に依頼して良いか?

宮田総合法務事務所 代表司法書士 宮田浩志 宮田総合法務事務所 代表司法書士
宮田浩志
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一般の方々には、ほとんど知られていませんが、法律専門職の間では、常識となっていることがあります。

それは・・・
「遺言執行業務を信託銀行に頼むことは要注意!」
「相続事務・遺産整理を弁護士に頼むのは要注意!」

ということです。

 

信託銀行や弁護士に対して敵視する意図は毛頭ありません。
あくまで、信託銀行・弁護士の業務の特徴を知らない一般の方が安易に依頼をして
困っている方・後悔している方を数多く見ている者として、多くの方に本当のことを
知って頂きたいだけなのです。

●信託銀行の業務の実態とは
まず、信託銀行が精力的に取り組んでいる「遺言信託サービス」について説明をします。
超低金利時代に突入してからというもの、銀行は貸出金利や預金の利ザヤで稼げる時代ではなくなった。
そうなると銀行としては、手数料収入でいかに利益を稼ぐかが生き残りをかけた生命線となる。
その一つが「保険の販売」(銀行の窓口で保険を販売することを称して「銀行窓販」と言います。)です。
これについては、本題ではないのでコメントを控えます。

そして、もう一つの銀行の生き残り策こそが相続マーケットに対する進出であり、その中核となるのが
「遺言信託サービス」なのです。
このサービスは、「信託」という言葉が入っているものの、法律的な「信託」は一切関係ありません。
このサービスは、銀行員が相続税の納税シミュレーションをもとに遺言公正公正証書の作成をし、
作成後はそれを費用をもらって預かり、相続発生時には遺言執行者として遺言内容の実現をするという
【遺言書の作成+預かり+遺言執行】のサービスの総称です。
いわば「遺言書信託」であり、このサービスについては、下記の問題点が指摘されています。

 

●信託銀行の遺言信託サービスの問題点

①遺言者が望んだとしても、遺留分を抵触するような遺言内容を作成させない
②相続発生時に法定相続人・受遺者全員から信託銀行が遺言執行者になることの承諾書をもらわないと遺言内容を開示しない(執行業務に着手しない)
③そのため、承諾の意思表示ができない法定相続人がいる場合には、後見人を就けないと執行業務に着手しない(家族が望んでいなくても無理に後見制度を利用させる)
④上記②の原則にのっとり、法定相続人間に紛争性があり、非協力的な者が一人でもいると遺言執行者への就任を辞退する
⑤信託銀行が関わるのは実質的に金融資産部分の遺言執行だけになり、そのとりまとめ業務だけに遺言執行報酬(一般的に最低100万円~)が発生する
そのため、法定相続人の関係を確定するための戸籍収集や不動産の相続登記手続きは別途司法書士に外注することになり(別途司法書士報酬が発生します)、家財等動産類・遺品の整理は家族・親族に任せ信託銀行は一切関わらない
⑥執行が完了するまで相当な期間がかかる
⑦遺言者だけとお打合せを重ねるだけで、配偶者や子(家族)を巻き込んでの円満円滑な資産承継を実現しようという概念を持っていない⑨遺言者が亡くなった後のことを中心に議論するため、最も大切な老後生活についての詳細な設計・対策が軽んじられている

上記について、簡単にコメントしましょう。
①本来の遺言は、遺留分を抵触しようが遺言者の想いに基づいて作成すればよいものです。
つまり、遺言者が望めば、遺産を全額寄付することも、特定の子に遺産を渡さないようにすることも自由です。
しかし、信託銀行が作成する遺言書は、遺言者の想いよりも銀行目線を最優先で考えているようで、信託銀行が将来遺言執行者になったときにトラブルに巻き込まれないよ うに、予め紛争性がある遺言書には関わらない、作らせないというスタンスを取ります。
一方、司法書士や弁護士等の法律専門職が遺言の作成に関与する場合、遺留分を抵触する場合のリスク等を十分にご説明した上で、それでもそのような遺言愛用にしたいということであれば、その意を最大限尊重する内容にします。そして、紛争性がある遺言の執行については、当該法律専門職が遺言執行者に就任することで、家族・親族に負担をかけずに遺産の分配をするところまで責任をもって対応します(むしろ、法律専門職は、将来的に調停や裁判が起きないような遺留分対策を徹底してすることもします)。

②本来、法定相続人・受遺者全員から承諾をもらう必要はありません(受遺者に遺産を受け取るかどうかの意思確認はしますが)。
したがって、法律専門職が遺言執行者に就任する場合は、遺言内容の実現に向けて淡々と業務を執行します。法定相続人・受遺者に承諾をもらうまで着手しないということはあってはならないのです。

③遺言書を作成する一つの大きな動機として、家族に認知症の配偶者や障害を持つ子がいる場合でも遺産分割協議をしなくても済むように遺言で遺産全ての受取人を指定しておくということがあります。それにもかかわらず、せっかく故人が作成した遺言書に基づき遺産を受け取るがために後見人を就けなければならないというのは、本末転倒と言っても過言ではないでしょう。判断能力の無い法定相続人に後見人を就け、いざ遺言内容を信託銀行が開示をした時に、結果としてその後見人を就けた相続人には遺産の受取はほとんどなかったという事態もありました。誰のため、何のための遺言執行かよく分からないです。

④前述の通り、本来の遺言執行者は紛争性の有無を問わず、淡々と遺言内容の実現をしますので、紛争性があるなら遺言執行者に主任しないというのは、法律専門職からすればあり得ないことです。

⑤信託銀行は、遺言執行者といってもあくまで銀行なので、金融資産がメインになります。一方、司法書士が遺言執行者になる場合は、相続登記の登記手続き報酬を含めた遺言執行者報酬となる場合も多いので、費用を抑えることが可能となります。

⑥遺産の内容次第ですが(遺産の中に証券会社の有価証券類があるとかなり日数がかかります)、法律専門職が執行者になる場合の方が、戸籍の収集作業を含め着手が早いので遺産の分配までにかかる日数は一般的に早いといえます。

 

信託銀行である必要がない

 

 

 

遺産相続の問題は、複雑な親族関係なものや相続人間での感情のもつれのあるもの、
遺産が大きいもの、相続債務の返済も含めて長い期間を要するもの・・・、
軽いものからヘビーなものまで本当に様々である。

ただ、相続事務・遺産整理を数多くお手伝いさせて頂いているミヤタとして
一つ言えることは、
『遺産相続で困ったら弁護士に相談する』というのがすべてではない!
ということ。

決して、全国の弁護士さん(尊敬する弁護士さんや仲良しの弁護士さんも多い)を
敵に回す意図ではない。
本当にもめてしまって、これはもう調停なり裁判なりで争いましょうとか、
何を言っても相手に話が通じないというような状況下であれば、
迷わず早めに弁護士さんに相談することは否定しない。

ミヤタも弁護士さんに事案を引継がざるを得ないこともある。
でも、その前に現状を冷静に分析して、今はどんなアクションを起こすのが
ベストな選択肢かを検討する必要がある。

ミヤタの下記の記事にも書いてあるが↓、
https://www.legalservice.jp/isan.html
こちら側に弁護士が代理人として就任した段階で、ぼぼそれは
相手方相続人にしてみれば『宣戦布告』を受けたに等しい。

なぜなら、弁護士は、依頼人の利益を最大限実現するために
全力を注ぐのが職務だから。

弁護士が「仲裁役」としての役割を負うことは普通はしない。
そのため、単に今まで疎遠だったためにどうやって相手と遺産整理の話を
進めたらいいか分からない場合やこちらが作成した遺産目録等について、
それを裏付ける資料をつけてもっと詳細に検討したいと相手方が言ってきた場合において、
すぐに弁護士を頼むというのは、いささか“勇み足”と言わざるを得ず
あまりお勧めできない。

弁護士を就けるということは、相手方に与えるインパクトは甚大であるが故に
弁護士を立てた方にそんな意図が無くても、
『とことん争うぞ』『白黒はっきりさせてやる』・・・、
そう解釈されるリスクがあることを認識すべきである。

単に客観的な立場の人間にサポートしてほしい場合であれば、他に選択肢はいくつかある。
我々司法書士や行政書士、あるいは顧問税理士が交渉の橋渡し役を
担えるケースもあり得る。

場合によっては、代理人を立てずに直接遺産分割調停を申し立てることで、
裁判所において冷静に話し合いができる可能性もある。
遺産相続・遺産整理の悩みは、非常にナーバスな問題である。

遺産相続に困ったら、弁護士に相談するのはいいけれど、
弁護士を代理人に立てるのは慎重に!
まずは、その前に弊所に来るべきとまでは言わないが、
遺産整理業務の機微に精通したコミュニケーション能力の高い司法書士・行政書士
相談をすべきである・・・。

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