仕事関係

『民事信託サミット』を終えて

去る2/3(月)、東京の「学士会館」において一般社団法人民事信託活用支援機構の主催で『民事信託サミット』が開催されました。

第一部では、東京大学名誉教授の樋口範雄教授が『民事信託の意義と課題』というテーマで、非常に興味深いお話をされました。

ミヤタは、普段から「成年後見制度は、それ自体批判すべきものではなくて、成年後見制度によって救われている方も沢山いることは事実である。その上で、成年後見制度は、“セーフティネット”として誰でも使える汎用性のあるガチガチの財産管理の仕組みであるという制度趣旨の宿命として、使うべき方と使うべきではない方がいる。」という話をしていますが、樋口教授は、より先鋭的に成年後見制度は問題が多いという結構批判的なコメントをされていました。

「自分なら今の後見制度を使いたくない。」という東大名誉教授の考え方と我々家族信託のコンサルティングをやっている者の方向性が一致していることに嬉しさを覚えました。

 

第二部では、家族信託に関わる専門家が作った5団体がパネルディスカッションをしました。

ミヤタは、一般社団法人家族信託普及協会の代表として、そのパネルディスカッションに登壇しました。

残念ながら活発なディスカッションというところまではできませんでしたが、まだ「第1回目」のサミットですから、激論を交わすことよりももっと大事なことができたと思っております。

つまり、家族信託を取り扱う専門職が様々な団体を立ち上げ(活動実績・活動実態が怪しい有象無象の団体が存在します)、それぞれが交わることなく独自に活動しているのが実態であった中で、家族信託の業界の中できちんと活動をしている(活動を始めた)5団体が堂々と交わりを持ったことは非常に大きな意味があったと思っております。

これは、まさに最初の一歩とは言え、「大きな大きな第一歩」になり得るきっかけとしては大変有意義であったと感じております。

 

今後は、今回登壇した団体(一般社団法人民事信託活用支援機構、一般社団法人信託制度保障協会、一般社団法人民事信託監督人協会、一般社団法人家族信託普及協会)を中心に連絡協議会を立ち上げ、一定の成果を出せるような連携をしていきたいと考えております。

そして、その連携の動きの中で、全国で誠意をもって精力的に活動されている他の専門家団体や弁護士会・司法書士会などとも積極的にかかわりを持てるような活動を目指したいと思っております。

ミヤタがパネルディスカッションでコメントしましたが、今回の5団体に関わる専門職(団体の役員だけではなく一般構成員たる専門職も)が横断的に他団体の研修・活動に積極的に顔を出し、お互いの良いところを持ち寄り切磋琢磨できるような関係性の構築を目指したいと思っております。

 

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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