その他雑感 司法書士のつぶやき

権利と思いやり

2月 20, 2011

昨日の新聞に≪付属高合格者「併願」NG≫という見出しで、
東京学芸大学附属竹早中学校の記事が載っていした。
その記事によると、学芸大附属の高校入試に合格した自校の生徒に対し、
併願していた公立高校の受験を辞退させていたとのこと。
学芸大側からは、『生徒の進路選択の権利を奪う行き過ぎた指導だった』
とコメントしているそうである。
果たしでそうだろうか?
20数年前、同大附属小金井中学から附属高校を受験をしたミヤタとしては、
これがこういう形で記事になること自体、遺憾に感じる。
附属中学は4校あり、その中から内部受験で合格しなければ附属高校には行けない。
当時のミヤタは、難易度の高い問題が出題される附属高校の受験に自信が無かったので、
都立高校を併願し、必死に公立試験の問題ばかりを解いていた。
“併願”と言っても、そりゃぁ行けるものならば、
多くの仲間が進学する附属高校に行きたいのは当然のこと。
附属高校を受験するほとんど全員が附属高校を第一希望であることに間違いない訳で、
その附属高校に合格したのだから、行くつもりのない公立高校の受験を
『折角だから』という軽い気持ちで受験をするのは、
ミヤタとしてはお勧めしたくない。
当時のミヤタも、先生から、行くことのない公立を受験し合格すれば、
その分本当に行きたかった受験生の合格者を一人減らすことになることについて
話を受けた記憶がある。
その当時、もっともな話だと合点した。
人生を大きく左右するかもしれない高校受験で必死に頑張っている同い年に対する
これが思いやりだと思った。
受験票を回収し、公立受験を強制的に辞退させていたことは、
確かに手段に問題があったかもしれない。
しかし、この記事の書き方だと、学校側が『権利侵害をしたので今後は改める』
という趣旨の記事になる。
そうではなくて、(賛否両論あるのを承知の上で)
同じ受験の辛苦を共にしている公立高校受験者に対する思いやりを
15歳の子供たちに伝えようとした附属中学側のアツい想いがあった
という旨の行間が読める記事にしてほしかったと勝手に思う。

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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