家族信託 ,

家族信託を含む信託の併合にかかる登録免許税

8月 22, 2017

信託の併合は、原則として各信託の委託者、受託者、受益者の合意によってすることが可能です(信託法第151条第1項)。

信託の併合により、信託財産に属する不動産に関する権利関係に変更が生じた時は、受託者が同一であり、当該権利の登記名義人に変更が無いことから、信託の併合を原因とする権利の変更の登記をすることになります。
この登記の内容は、従来の信託登記を抹消し、新たに併合後の信託の登記を同時にすることになります。

「信託の併合」に係る登記をする場合、不動産登記法第104条の2第1項は、下記の(1)~(3)の登記申請を同時にしなければならないと規定しています。

(1) 信託併合により別信託の目的となった旨の登記(権利の変更の登記)
(2) 何番信託登記抹消(不動産に関する権利が属していた信託についての信託の登記の抹消)
(3) 信託(新たに不動産に関する権利が属することとなる信託についての信託の登記)

 

そして、上記(1)~(3)の各登記は、別表第一1に掲げるそれぞれの区分の登記に該当しますので、これらの区分に掲げる税率を適用して計算した金額の合計金額が登録免許税の額になると考えられます。
つまり、信託の併合の登記申請に際して納めるべき登録免許税は、下記のとおりになります。

(1) 「信託併合により別信託の目的となった旨の登記(権利の変更の登記)」
・・・別表第一1(14)に掲げる「変更の登記」に該当し、不動産の個数を課税標準として
1個につき1,000円

(2) 「何番信託登記抹消(不動産に関する権利が属していた信託についての信託の登記の抹消)」
・・・別表第一1(15)に掲げる「登記の抹消」に該当し、不動産の個数を課税標準として
1個につき1,000円

(3)「信託(新たに不動産に関する権利が属することとなる信託についての信託の登記)」
・・・別表第一1(10)イに掲げる「所有権の信託の登記」に該当し、不動産の価額を課税標準として1,000分の4の税率(土地に関する所有権の信託の登記の場合にあっては、租税特別措置法第72条第1項第2号の規定により、平成21年3月31日までは1,000分の2、同21年4月1日から同22年3月31日までの間は1,000分の2.5、同22年4月1日から同23年3月31日までの間は1,000分の3の税率となります。)

 

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不動産登記法第104条の2
信託の併合又は分割により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から他の信託の信託財産に属する財産となった場合における当該権利に係る当該一の信託についての信託の登記の抹消及び当該他の信託についての信託の登記の申請は、信託の併合又は分割による権利の変更の登記の申請と同時にしなければならない。信託の併合又は分割以外の事由により不動産に関する権利が一の信託の信託財産に属する財産から受託者を同一とする他の信託の信託財産に属する財産となった場合も、同様とする。

 

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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