2017年2月1日付日本経済新聞朝刊によると、1/31の最高裁判決で、「節税目的の養子縁組でも直ちに無効とはいえない」との初判断を示した。
相続税対策の方策としての≪養子縁組による相続税の非課税枠(基礎控除)金600万円≫の利用は、実務では当たり前となっているので、これを無効とした高裁判決に違和感を感じていたが、今回改めて有効とする最高裁判決が出たことで、さらに節税対策における養子縁組の活用方法の認知度も高まり、利用が進むかもしれない。
一つ注意すべきは、判断能力が衰えてきた段階や死期が迫る中での養子縁組などのケースでは、相続税法に定める「相続税の負担を不当に減少させる結果となる場合は、税務署長の判断で養子を算入せずに税額を計算することができる」という“租税回避行為”の否認の条項があるので、むやみやたらな養子縁組が認められるわけではない。国税庁も、「縁組に至った経緯や生活実態など個々の事例に応じて判断する」としているようだ。