家族信託

入所している要介護3の母と信託契約できますか?

8月 19, 2016

信託契約は、「契約」ですから、契約当事者がその意味や法的効果をきちんと理解していないと、つまりある程度の正常な判断能力に基づいて契約に臨まないと、有効に締結できません。

しかし、要介護度や入院・入所の事実をもってして、判断能力が無いと決めつけることはできません。
要介護度と判断能力の有無は、必ずしも関係性がありませんので、要介護度が高くても、本人の理解力があれば、契約締結は可能といえます。

同様に、入院や入所しているからといって、判断能力が無いと決めつけることもできません。
もちろん、入院・入所に至る経緯・背景については、確認させて頂くことになりますが、判断能力があるという医師の診断書が必要な訳でもありませんし、契約時に医師の立ち合いが必要な訳でもありません。

大原則として、家族信託の大まかな仕組みやメリット、そして具体的に「どの財産を何の目的でだれに託すか」について理解ができていることが必要ですが、法律用語としての「受託者」とか「受益権」とかについて正確な理解をしている必要まではないと考えます(専門職でも信託法を正しく理解できていない人がいるくらいですから)。

また、短期記憶が衰えてきていても、何度もお打合せの度にする質問の回答が、いつもぶれていないのであれば、それもまた契約可能な材料の一つになります(例えば一つの例として、誰に財産管理を任せたいかについての質問の答えが、2週間前も1週間前も三日前も今日も、いつでも「長男」ということであればいいのですが、質問の度に「長女がいいな」「長女は怪しいから二男がいいな」と回答に一貫性が無ければ、契約能力について危ういと言わざるを得なくなるでしょう)。

 

老親の保有する収益不動産の管理や将来の入所費用捻出のための売却処分などの必要性から、家族信託を検討される方が激増しています。

大切なことのまず第一は、「今、手を打っておかないとどんなリスクや困りごとが発生するか」をきちんと見極め、必要であれば最短のスケジュールで対策を実行することです。

例えば・・・。
老親が認知症になり財産が実質的に動かせなくなると成年後見制度を利用することになるだろうが、保有資産も多く相続税対策も実行していきたいので、負担と制約の多い成年後見制度の利用は避けたい、というニーズ。
あるいは、遺言による資産承継者の指定をしておいてもらわないと将来争族が発生する可能性が高いというケース。
これらのケースでは、老親が認知症で判断能力を喪失する前に、信託契約や遺言書の作成をしておかなければ手遅れになってしまいます。

次に大切なことは、自分たちだけで見よう見真似でやるのではなく、信頼できる専門職に早めに相談することです。
老親の老後の人生や将来の資産承継という最大級に大きな問題を中途半端な知識で実行するのは、あまりにリスクが大きすぎます。

また、にわか“相続専門”をうたう専門職(弁護士・司法書士・行政書士・税理士)も増えていると聞きますので、きちんと信頼できる実績や勉強をしている専門職を見つけることです。
中途半端な知識しか持たない専門職に相談をして、思いのほか日数がかかり、信託契約締結前に老親の判断能力が喪失してしまいました、ではあまりにお粗末かつ悲惨な結末です。

 

老親の財産管理や相続対策については、早期の検討と早期の決断が重要であることを、是非ともご認識下さいませ。
もしご相談をご希望の方がいらっしゃいましたら、家族信託を活用した相続・事業承継対策コンサルティングを中核業務の一つとしている弊所に一度ご相談下さいませ。

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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