親から子供へ相続時精算課税制度を利用して生前贈与をした場合でも、その後、その親が死亡した際に相続放棄をすることは可能です。
但し、生前贈与時にすでに贈与者(親)が債務超過状態であり、債権者からの請求を意図的に免れるために子供に財産を贈与したような場合は、詐害行為取消権(民法424条)の対象となり、贈与そのものが取り消される可能性はあります。
一方、生前贈与をした時には資産が十分にあったが、その後の事業失敗等の特別の事情で債務超過に陥ってしまったような場合は、意図的なものではないので、詐害行為取消権の対象とはならず問題なく相続放棄できます。
なお、税法上は、生前贈与を受けた部分は相続により取得した財産とみなされますので、相続放棄した方も相続人の1人とみなして相続税が計算されることになります(相続税法21条の16)。