3月13日付日経新聞の記事によりますと、財務省は個人が不要になった土地・建物を国に寄付できる新制度をつくる検討に入った、とのことです。
政府としては、全国各地で相続放棄される土地が増えている現状を踏まえ、土地の境界線や権利関係が明確であるといった一定の条件を満たす土地については、国が引き取り、 それを自治体や民間の事業者に売却や賃貸することにより、放置される土地の増加を防ぎ、不動産を有効活用できるような仕組みを検討しています。。
土地の相続放棄が増えているのは、少子化などで農地や商店、自宅などを引き継ぐ家族・親族が減っていることが要因の一つと言われています。
小生としても、司法書士業務において、子がいないため法定相続人が兄弟や甥・姪になる相続案件が増えているのを実感しています。
たとえ子がいても、親(実家)とは離れた場所で生活の本拠を築いているので、親の不動産を相続してもそれを有効活用できず、固定資産税や草木の手入れなどの負担だけがいたずらにかかり続けている事態も多く見受けられます。
財務省は、こうした不動産を国が寄付で集めることで相続放棄を抑制しつつ、民間の仲介業者も活用して、近隣の民間事業者らに売却したり貸し出したりできるようにすることを目指しています。
政府は、相続登記の義務付けなど2020年の実現を目指す他の土地放棄対策の議論を踏まえ、実施時期を詰めていく方針とのことです。