法務省は、2020年4月1日に施行する改正民法(債権法)の規定を広く告知・啓発するため、昔話の「桃太郎」を題材にしたマンガ小冊子を作成しており、この出来栄えが素晴らしいと話題を呼んでいます。
マンガは、物語形式で作られており、主人公の桃太郎と鬼やサル・キジ・トリとのトラブルを通じて、下記①~④に代表される改正民法のポイントが分かりやすく解説されていて好評です。
① 約款(やっかん)
② 賃貸借
③ 消滅時効
④ 保証
ここで、改正債権法の超簡単な概略をご紹介します。
①約款
公共料金、各種保険、インターネット通販、各種会員制度など、不特定多数の顧客を相手に行う事業者などがあらかじめ詳細な契約ルールを定めておく「約款」について、顧客の利益を一方的に害する不当な条項は無効となる旨が明文化されました。
②賃貸借
トラブルの多い賃貸住宅の敷金返還や原状回復について、新たに明確なルールが定められました。
例えば、通常使用によって生じた損耗や経年変化は、賃借人(借り手)の原状回復義務の範囲外であることが法律で明文化され、また敷金については、全額返還が原則とされました。
③消滅時効
「消滅時効」とは、債権者(お金の貸主や報酬・代金等の請求者)が一定期間権利を行使しないことによって債権が消滅するという制度ですが、 これまでは「原則10年」としながらも、債権の種類によって短期間(1~5年)で時効消滅するものがいくつもあり分かりづらい制度でした。
改正法では、「権利を行使することができることを知った時から原則5年」「権利を行使することができる時から10年間」とシンプルに統一されました。
④保証
貸金や賃貸借について、個人が保証人になる場合は、保証人の保護を強化するため、「極度額」(保証人が支払う義務を負う限度額)を定めなければ、保証契約自体が無効となることになりました。
マンガは、法務省のホームページよりご覧いただけます ↓
http://www.moj.go.jp/content/001311772.pdf
また、改正民法(債権法)の詳細については、
『民法の一部を改正する法律(債権法改正)について』と題された法務省のホームページで是非ともご確認くださいませ ↓
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html
なお、実際に改正民法(債権法)に関する下記に代表される法律相談は、宮田総合法務事務所までお気軽にご連絡下さいませ。
・民法改正後の賃貸借契約に関する契約条項の定め方や連帯保証人と交わすべき保証契約について
・賃貸借契約における敷金や原状回復をめぐるトラブルを未然に防ぐ方策について
・時効の援用について、又は時効成立を防ぐ手立てについて