親権者変更は、両親の合意だけですることはできず、必ず家庭裁判所の調停や審判の手続きを経る必要があります。
親権者である片方の親が死亡したとしても、自動的に親権がもう一方の親に移るわけではありません。
申立て手続きとしては、親権者の住所地の家庭裁判所へ親権者変更の調停をすることになります。
この申立ては、親権者のどちらからでもできますし、子どもの親族であれば、祖父や祖母からでもできます。
ただし、子ども本人には申し立ての権利はありません。
親権者は戸籍上の記載事項ですので、親権者の変更が認められたら、審判の確定または調停の成立の日から10日以内に、審判書または調停調書の謄本を添えて市区町村役場の戸籍係に届け出ることが必要です。届け出がなされると、子どもの戸籍の身分事項欄に親権者が変更した旨が記載されます。
離婚時に一度決めた親権者の変更は簡単ではありません。子どもの監護教育のために親権者を変更する必要があるかが判断されますので、親のために親権者変更が必要かは、考慮されません。
したがって、教育監護の現状に問題がない場合、親権者変更は認められない可能性が高いです。
子どもが15歳以上の場合は、子どもの意見を踏まえて決められます。
子どもが15歳未満の場合は、親権者の変更に必要かつ妥当な事情があると認められれば親権者の変更ができます。
具体的には現在の親権者の暴力や育児放棄、あるいは、親権者が死亡した場合などです。
ただし、親権者が死亡した場合でも、養育環境に問題なければ、親権者が変更されないこともあります。
離婚の際の親権者の定めは、十分に協議の上、慎重にされることをお勧めいたします。