「信託の変更」とは、信託行為に定められた信託の目的、信託財産の給付・管理・処分・運用等の方針、受益者への財産交付内容等の信託事務について、事後的に変更することをいいます。
変更するには、変更後の信託行為の内容を明らかにして、委託者、受託者及び受益者の三者全員の合意が原則となっています。
但し、三者全員の合意となると時間を要したりすることも考えられるため、以下のような規定が設けられています。
● 信託の目的に反しないことが明らかであるとき
→ 受託者及び受益者の合意 + 委託者への通知
● 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかであるとき
→ 受託者の書面又は電磁的記録による意思表示 + 委託者及び受益者への通知
● 受託者の利益を害しないことが明らかであるとき
→ 委託者及び受益者による受託者に対する意思表示
● 信託の目的に反しないこと及び受託者の利益を害しないことが明らかであるとき
→ 受益者による受託者に対する意思表示 + 委託者への通知
その他、信託財産の管理だけでなく、信託事務処理の方法全般について信託行為の定めが、信託目的及び信託財産の状況その他の事情に照らし受益者の利益に適合しなくなってしまったときは、委託者、受益者又は受託者が裁判所へ申立てをすることで、受託者の陳述を受けて判断され、変更等が命じられます。
裁判所の判断に納得できない場合は、即時抗告できます。