遺産相続手続・遺産整理・遺言執行

相続放棄とは

9月 7, 2007

「相続放棄」とは、相続を原因として法律上当然に承継される一切の財産(遺産)を自らの意思に基づいて承継しない(=放棄する)ことをいいます。

一切の財産ですから、その中にはプラスの財産(現金や預貯金、不動産等の資産)はもちろん、マイナスの財産(住宅ローンや未払入院費等の負債)も含まれます。
従いまして、相続が発生した段階で、その相続人は速やかに故人の遺産をすべてリストアップする必要があります。そこでもし負債の方が大きく、遺産を相続するメリットがなければ、相続を放棄するという選択をすることになります。
もちろん、相続放棄は、各相続人の自由意思ですから、負債を認識したうえで、相続して返済を継続することも可能です。

 

【申立ての期間】

相続の放棄は、相続人自身に相続の開始があったことを知ってから原則3ヶ月以内に家庭裁判所に対して申し出なければなりません。
この「3ヶ月」については、自分に相続権が発生していることを認識した時から起算しますので、この期間はそれぞれの相続人ごとにカウントします。
極端なことを言えば、相続開始後1年以上経過してから自分が相続人であることに気づいた場合には、その時点から3ヶ月ということになりますので、故人の死亡日は直接的には関係ありません。
また、自分に相続権があることを認識して3ヵ月以上経過してから、莫大な負債があることが発覚した場合などは、この「3ヶ月」にとらわれることなく各相続人の諸事情が考慮されますので、ご安心下さい。

 

【相続放棄の効果】

相続放棄は、家庭裁判所に相続放棄の申立てをし、それが審理され受理されると放棄が認められます。
相続放棄が認められると、その相続人は「最初から相続人でなかった」とされ、相続順位が変わります。
例えば、故人に配偶者と子がいる場合、故人の親は相続権がありませんが、子が相続を放棄すると、配偶者と故人の親が相続人となります。
さらに、故人の親が相続を放棄した場合あるいは既に亡くなっていた場合、故人に兄弟がいれば、その兄弟に相続権が移ります(配偶者は相続放棄しない限り、常に相続権があります)。
つまり、相続放棄を誰かがしたことによって、今まで相続人でなかった人がいつの間にか相続人になってしまうという事態が生じる可能性があります。

 

【多額の負債がある場合】

多くの負債を残したまま死亡した場合、配偶者はもとより、子(直系卑属)、親(直系尊属)、兄弟姉妹のすべてが相続放棄を行なう必要がでてきます(子や兄弟姉妹が既に死亡している場合は、その子も相続人となりますので注意が必要です)。
債権者が金融機関の場合、債務者である故人の相続関係を調査した上で、相続人に対して順次債務の返済を請求してきます。
金融機関としては、返済を迫る必要性はもちろんのこと、回収不能として処理する際にも、その相続人が相続放棄をしたという証拠が必要だからです。
配偶者と子(故人の家族)が相続放棄をする場合、次順位の親又は兄弟姉妹(残された家族にとっては、義父母や親戚)は、突然債権者から負債の請求が来ることになりますので、予め相続放棄をする旨及びその事情を、簡単でもいいのでお知らせする方が親戚付合い上好ましいといえます。
場合によっては、故人の家族側で親又は兄弟姉妹の相続放棄手続きまで主体的に進めるケースもございます。
そのあたりのご相談も承りますので、相続放棄に関することは何でも、お気軽にご相談くださいませ。

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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