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家族信託

複数の委託者のうちの一部の者を受託者とする家族信託の可否について ~委託者兼受益者ABC、受託者Aとする信託設計~

10月 3, 2019

3人共有の不動産をその共有者の一人を受託者として管理処分権限を一人に集約させるという家族信託の設計について検討します。

具体的には、長男A・二男B・三男Cが各3分の1ずつ保有する共有不動産を信託財産として、一本の契約で受託者を長男Aとする信託が可能かという問題です。
この一本の契約を分解して考えたとき、長男Aが、二男Bと三男Cの持分を信託契約で預かることは問題ありませんが、長男Aが持つ共有持分を長男Aが受託者として管理するという「自己信託」になるのではないか。

つまり、「委託者=受益者=受託者=長男A」とい“三者一体信託”となり、理論上組成後1年経過により強制終了するのではないか(信託法第163条第2号の適用)という指摘がありました。

これに対し、法務省は、下記の通知のように、共有不動産全体を一体とした信託財産として捉えることにより、「自己信託」や“三者一体信託”となる解釈にはならずに、1年という年数に関わらず存続もでき、また信託登記もスムーズにできるという解釈を発表しました。

ただ、実務的には、長男A・二男B・三男Cの不動産持分だけではなく、各人の余剰金銭も信託契約で一緒に預かったり、各兄弟の承継の仕方・順序が異なったりするので(例えば、長男Aが死亡したらその分の第二受益者は長男の妻、二男Bが死亡したらその分の第二受益者は二男の子3名、三男Cが死亡した場合は独身なので、長男Aと二男Bに)、複雑な信託設計を避けるために、1本の契約よりは、信託契約を人ごとに分けた方がスムーズな管理ができるケースも多いでしょう。

 

★複数の委託者のうちの一部の者を受託者とする信託の登記について★
(平成30年12月18日付 法務省民二第760号法務省民事局民事第二課長通知)

「委託者を甲及び乙,受託者を乙,受益者を甲及び乙,信託財産を甲及び乙が共有する不動産とし,当該不動産の全体を一体として管理又は処分等をすべき旨の信託契約をしたとして,甲及び乙を所有権の登記名義人とする当該不動産について,当該信託を登記原因とし,共有者全員持分全部移転及び信託を登記の目的とする登記の申請がされた。
この信託は,受託者以外の者(甲)が有する財産の管理又は処分等がその内容に含まれていることから,いわゆる自己信託(信託法(平成18年法律第108号)第3条第3号)には直ちに該当せず,信託契約(同条第1号)によるものとして,共有者全員持分全部移転及び信託の登記の方法により登記をすることが相当であると考えられるため,他に却下事由がない限り,当該申請に基づく登記をすることができる」

 

【参考:上記の場合の信託登記の申請内容イメージ】

登記の目的:共有者全員持分全部移転及び信託
原   因:令和 年 月 日 信託
登記権利者:A
登記義務者:A・B・C

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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