遺産相続手続・遺産整理・遺言執行

相続人不存在の場合の遺産整理手続 ≪相続財産管理人≫

12月 20, 2006

被相続人が遺産を残して亡くなった際に、天涯孤独で亡くなる場合や、相続人はいたけれど相続放棄や相続欠格、相続人廃除等により相続人全員がその資格を失って、相続人がいなくなるという場合があります。
また、戸籍の消失などで相続人の存在、不存在が明らかでない場合もあります。
そのような状態を法律上「相続人不存在」といい、この場合、家庭裁判所に「相続財産管理人」の選任申立をすることになります。
そして、選任された相続財産管理人のもとで清算手続きをすることが必要になります(民法第952条)。

【相続財産管理人選任手続き】
●申立人    利害関係人(相続債権者、特別縁故者など)、検察官
●管轄      被相続人の最後の住所地
●手数料等   収入印紙800円と郵便切手(裁判所によって異なります)、官報公告料
●必要書類   申立人・相続人の戸籍謄本、被相続人の除籍謄本、及び出生まで遡っ
た戸籍謄本一式・除票、相続人全員についての死亡記載のある除籍謄
本、相続人全員が放棄した場合は戸籍謄本と放棄申述受理証明書、財
産管理人候補者の戸籍謄本・住民票、利害関係を証する資料、相続関
係図、財産目録

相続財産管理人は、相続財産を管理するとともに債権申し出の公告を行い、債権者や遺贈を受けた者がいれば、支払いを行います。
さらに相続人がいるかどうかわからない場合は、家庭裁判所は相続人捜査の公告を行います。それでも相続人が現れなければ、相続人の不存在が確定します。
相続人がいないことが確定すると、次の段階として特別縁故者と呼ばれる人が相続できる可能性がでてきます。

特別縁故者とは、被相続人と生計を共にしていた人や、被相続人の療養看護に努めた人、その他被相続人と特別の縁故があった人のことをいいます。
具体例としては、内縁の妻(被相続人と夫婦の関係であったが、婚姻届はだしていなかった場合)などが挙げられます。
特別縁故者にあたる人が相続するためには、家庭裁判所に財産の分与の申立てをしなければいけません。申立てをすることによって、特別縁故者には、被相続人の財産の全部あるいは一部が与えられます。

相続財産相続人が職務遂行の結果、相続人がおらず、債権者や受遺者がおらず、特別縁故者もいない場合(あるいは特別縁故者が一部を相続したが財産が残った場合)は、被相続人の財産は最終的に国庫に帰属します。

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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