遺産相続手続・遺産整理・遺言執行

金融機関(銀行等)の相続手続き =預貯金口座の解約・払戻=

6月 3, 2011

遺産整理・相続事務手続における預貯金口座の名義書換(解約・払戻を含む)は、結構手間のかかる作業と言えます。
法律上有効な遺言書があっても、あるいは相続人全員で遺産分割協議を取り交わしても、それを窓口に持って行くだけでは、預貯金口座の解約・払戻・名義変更に応じてくれる金融機関はほぼありません。

 

自筆証書遺言であっても公正証書遺言であっても、遺言執行者がいない場合、遺言の中でもらえると書かれている者が単独で金融機関に行っても手続きは進めることができません。
銀行等の金融機関は、各金融機関所定の相続届出用紙に相続人全員からの署名及び実印の押印並びに印鑑証明書の提出を求めてきます。
これは法律論ではなく、相続をめぐるトラブルに巻き込まれるのを極端に嫌う銀行等が行っている金融実務上の取り扱いであり、利用者(預金者)にとっては、非常に不便な仕組みです。

 

一方、遺言執行者がいる場合は、原則的に執行者単独の手続により、解約・払戻・名義変更に応じてくれます。
したがいまして、遺言書に執行者の記載が無い場合は、事後的に家庭裁判所に遺言執行者選任申立てをした方が手続きがスムーズな場合もあります。

 

また、遺産分割協議により相続財産を分配する場合には、遺産分割協議書及び印鑑証明書に加え、前述の各金融機関所定の相続届出用紙にも相続人全員の署名と実印の押印が必要となるケースが多いので、分割協議書に調印する前に、各金融機関からきちんと届出用紙を取り寄せ、合理的に調印作業ができるように準備することが大切です。
もし、銀行等の預貯金口座の解約・払戻、名義書換について、お困りの点があれば、遺産相続手続・遺産整理案件を数多く手がける弊所までお気軽にご相談下さいませ。

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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