取締役会は、定款に定めれば、実際に会議を開かずに書面上で決議すること(いわゆる「書面決議」)が可能になりました。
これまで、取締役会は直接意見交換して意思決定する必要があるとの考えから、会議自体を省略することは認められませんでした。
しかし、新会社法では、機動的な会社経営の実現を図るニーズの高まりを受け、書面決議が認められるようになりました。
この点において、取締役の業務執行方針の決定に関するスピードアップ化や取締役の移動コストの削減が図れます。
書面決議が有効に成立するために必要なこと
書面決議が有効に成立するためには、定款で書面決議が可能な旨の定めを置いた上で、取締役会の決議の目的である事項について、取締役全員が持ち回りの文書または電子メールなどによってその内容に同意をし、かつ、監査役(業務監査権限を有する監査役がいる場合)が異議を述べないということが必要です。
ただし、すべての取締役会を書面決議でできるわけでありません。
代表取締役等が3ヶ月に1回以上行わなければならない取締役会への業務執行状況の報告については、実際に取締役会を開催する必要がありますので、ご注意ください。