共用部分を工事して、専有部分に変更するということは、共用部分が減少することになり、共有者全員の利害に関係します。
従いまして、原則として、民法251条『各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。』の規定により共有者全員の承諾が必要になります。
また、新たに専有部分ができることで、既存の各戸の専有部分に対応する底地の持ち分(敷地権割合)にも影響するので、注意が必要でしょう。
一方、共用部分の大規模修繕や大がかりな改造工事(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、「共用部分の変更」として、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要です(区分所有法第17条)。
共用部分である管理人室をトランクルームや集会室として利用する場合や屋上に有料で看板やアンテナ基地を設置する場合も、前述の「共用部分の変更」に該当します。
なお、共用部分である管理人室や集会室を居住用や貸店舗として外部の人間に賃貸する場合には、貸主を誰とするかが問題になる可能性がありますので、管理組合の法人化を含めて十分に検討する必要があります。