滞納者への対応は、相手の状況・性格等に応じて、臨機応変に対応し、いかに自主的に支払ってもらえるかがポイントになります。
◆第1段階◆
滞納が1・2ヶ月程度の場合は、電話または督促状の郵送で支払いの督促を行います。
管理会社に委託している場合、この初期の段階は管理会社の方で対応してくれます。
管理委託契約書において、管理会社がどこまで督促作業を行うことになっているか確認した上で、契約書上管理会社の手を離れざるを得なくなった段階で、管理会社から毎月の滞納者リスト及び督促状況について報告を受け、督促作業を引き継ぎます。
◆第2段階◆
電話、書面で督促しても、なお納入されない場合は、管理組合員複数で直接本人に会って請求・交渉するのがよいでしょう。
あくまで本人に自主的に払ってもらうことが第一目標ですので、状況に応じてこの督促作業を何回か繰り返し行い、「このまま滞納しているのはかえって面倒だから、仕方ない払うか」という気持にさせることを目指します。
※第1段階・第2段階を問わず、いつ、誰が、誰に対し督促作業をしたか、また、そのときの相手の対応状況を記録に留めておくこと、督促状の写しを保管して置くことが大切です。
◆第3段階◆
第2段階までで納入がない場合は、法的手段を取ることを前提とした作業に入ります。
滞納者の誠実な態度が見られなければ、すみやかに法的手段を取りますよという組合側の強い意志を表明すべく、まずは内容証明郵便を出し、一定期間内に支払期限・支払方法等についての回答を求め、プレッシャーをかけます。
※第3段階までで滞納者の支払の意思が確認できた場合で、かつ滞納額が高額で分割払いになるようなケースでは、弁済契約を公正証書にすることをお勧めします。もし弁済の合意内容(支払期限等)を守らなかった場合には、すみやかに強制執行に入れるように万全の体制を取ることが大切です。
◆第4段階◆
内容証明に対する回答がない場合、回答が到底受け入れるような返済案でない場合、そもそも内容証明郵便を受け取らなかった場合などには、いよいよ法的手段を講じることになります。
滞納額が少額(60万円以下)であれば、少額訴訟制度を利用するのがよいでしょう。この制度を利用すれば訴訟費用も少なくてすみ、原則として1回の審理で完了し、直ちに判決が言い渡されます。
また、60万円を超える場合には、申立て費用が低額な「支払督促」という手段を講じるのもよいでしょう。
※第3段階・第4段階になると、一般の方には負担が大きすぎる場合もございますので、回収のプロである弊所にお気軽にご相談下さいませ。