2022年8月12日の日本経済新聞に『お盆休みに考える これからの家族のかたち』というタイトルの記事広告が載っていた。
内容は、高齢の親の今後の介護や介護施設の選び方についてのものだった。
確かに、お盆休みで家族や親戚が実家に集まることも多いこの時期は、高齢の親の今後の生活・介護の問題を話し合うベストのタイミングであると言える。
ただ、家族で話し合うのは、老親の「介護」の問題だけにとどまらない。
今後老親が要介護状態になったときに、在宅介護でどこまで本人の生活を支えられるのか、それを家族の誰が主体となって担うのか、状況によっては高齢者施設に入ってもらうべきか、等は、最重要の議題ではある。
そこには、経済的・財政的な問題もついて回るので、老親がどのくらいの資産を持っているのか、また年金収入はどのくらいあるのか等をきちんと把握しておかないと、老親やそれを支える家族にとって最適な選択肢を見誤ることになりかねない。
人生100年時代と言われる昨今。
80歳前後の親にとっても、あと15~20年、しっかりと安心・平穏な老後を過ごしてもらうために、本人の住居や介護方針に関する希望、それを実現するための経済的な余力の程度、それを担う家族の役割分担などについて、是非とも家族全員で情報共有・共通認識を持つようにしていただきたい。
さらに、充実した老後生活の先の相続・資産承継といった部分にも踏み込んで、家族でしっかりとお話をしていただきたい。
『お盆に考えるこれからの家族のかたち』。
それは、具体的には「親の今後の生活サポートと財産管理」のお話であり、さらには親の相続後の「円満円滑な資産承継」にもつながる話。
これは本当に重要なこと。
家族内で希望や課題が共通認識できたら、また不安や不明な点が出てきたら、その部分は、この分野に精通した法律専門職に相談の上、「家族信託」や「任意後見」「生前贈与」「遺言」「生命保険」などの手段の利用を考えていただきたい。