5/1付日本経済新聞朝刊1面記事によりますと、政府は分譲マンションの修繕方針などを決める住人集会について、マンション管理組合の集会出席者の過半数の賛成で決議できるよう法改正を検討するという。
分譲マンションの共用部分を修繕する場合、各部屋(区分所有建物)の所有者で構成する管理組合の集会での決議が必要であり、これが修繕工事への大きな障害となっている。
というのも、マンション管理に無関心な所有者や音信不通の所有者がいると、集会への欠席者が多くなる。集会に出席もせず、委任状や議決権行使書による賛否の表明もなければ、議案に「反対」したものとして扱われる。
そのため、過半数の賛成票を確保できず、修繕工事に必要な決議ができない場合があった。
特に大規模マンションや投資用マンションでは、集会への出席者が少ない傾向にあり、都内のタワーマンションの30%程度は出席率が70%未満という調査結果もあるという。
今回の報道では、今後、法制審議会で議論を重ね、2024年度にも区分所有法の改正をめざすという。
これにより、町の景観や治安を悪くしかねない老朽マンションの改修を進めやすくする狙いがある。
また、修繕工事の決議要件緩和にあわせ、マンションの建替えに関する決議の要件緩和も議論する。
現在の区分所有法では、「所有者の5分の4」の賛成が必要だが、所有者の所在がわからない場合、決議の対象から外す案が議論されている。
また、決議要件も「出席者の4分の3」以下に引き下げることも検討中だという。
人の超高齢化と共に、マンションの高齢化・老朽化も深刻に進んでいる。
この問題は、経済上・治安上・景観上などの点において、非常に緊急性のある課題となっている。
政府の早期の対策の実行に期待したいところである。