成年後見(法定後見・任意後見)、高齢者等の財産管理

任意後見のプラン ≪任意後見の3類型≫

1月 19, 2007

任意後見には、任意後見契約発効の時期や発効までの間に交わす契約形態によって、大きく3つ、細かく分けると4つの利用形態(プラン)があります。

将来に備える将来型、判断力が正常なうちから少しずつ後見人を利用して、最終的に必要になったら後見をスタートさせる移行型、契約締結とほぼ同時に後見を始めてしまう即効型です。それぞれの利用方法の特徴は次の通りです。

なお、3つの「任意後見プランの探し方フローチャート」(PDFファイル)もご参照ください。
また、「任意後見プランのイメージ図」(PDFファイル)もご覧頂ければ、任意後見プランのご理解がしやすいでしょう。

 

(1) 将来型
将来の判断力の低下(認知症の発症)に備えて、予め判断能力のある元気なうちに任意後見契約を締結しておく形態です。
財産管理契約(任意代理契約)は結ばず、見守り契約のみで定期的に連絡だけを取りながら将来の契約発効を待つ形態で、任意後見で最もシンプルなプランなので「本来型」と表記されることもあります。
将来の人生設計を十分に考慮した上で、信頼できる後見人を必要な人数だけ確保しておけるので、任意後見契約特有の自由度を享受しつつ、実態としては法定後見に近い形で後見を開始する方法といえます。

(2) 移行型
将来の判断能力低下に備えつつ、判断能力が健常なうちから必要に応じて財産管理などの援助を開始してもらう形態です。
早い段階から信頼できる人に財産管理も任せたい場合や、身体的な衰え等の理由により財産管理が負担となっている方にお勧めです。
この方式は、任意後見契約と財産管理契約(任意代理契約)という委任契約を同時に締結しておき、まず通常の委任に基づき財産管理を行い、判断能力が不十分になると任意後見契約を発効させて、業務を委任から後見へとスムーズに移行するプランです。
財産管理の受任者と任意後見人とを同一人としておくのが通常の形態で、この二つの契約は一つの公正証書で契約することが可能です。
なお、財産管理契約は通常の委任契約ですので、任意後見契約の発効では当然に終了はしません。
したがって、任意後見監督人が選任された(任意後見契約が発効した)場合には、財産管理契約が終了する旨の特約を設けておく方が、法律関係がシンプルになりお勧めです。
近年、この財産管理契約(任意代理契約)に代えて、より様々な権限を付与できる『信託契約(家族信託契約)』による財産管理を実行する方が増えてきています。
今後は、この信託契約が主流になるかもしれません。

3つの類型には入りませんが、この移行型にさらに見守り契約を合わせる「段階型」というのもあります。
これは、今はまだ元気なので見守り契約のみで定期的に連絡を取ったりできればいいが、将来的に判断能力は元気だが身体が不自由になった時からは、財産管理の支援もほしい、そして最終的には、任意後見人として面倒をみてほしいというプランで、将来型と移行型の合わせ技のような万全のプランといえるかもしれません。

(3) 即効型
すでに判断能力の低下がみられるので、任意後見契約締結からほとんど間を置かずにすぐに任意後見を開始する形態です。
任意後見契約は清明な段階で準備しておくのが理想ですが、自分の衰えは認識しつつも、いざ他人に財産を任せようとするとなかなか決心がつかないものです。そうこうするうちに、認知症の症状が出始め、援助の必要性を実感し、この即効型を利用するということも少なくないでしょう。
また、軽度の知的障害、精神障害のある人が任意後見を利用しようとする場合は、この類型を利用することになるでしょう。

任意後見は、法定後見における補助相当、つまりかなり軽度の判断能力の低下でも開始できますので、能力の低下が軽い分には問題はありません。
しかし、反対に任意後見契約を締結できるだけの判断能力が残っていることが必要になりますので、注意が必要です。
認知症が進んで、任意後見契約の意味を理解できない程度になると、法定後見制度を利用する他なくなりますので、本人の判断能力が微妙なケースでは、公証人から医師の診断書の提出を求められることもあり得ます。

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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