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成年後見(法定後見・任意後見)、高齢者等の財産管理

保佐開始の審判申立て 【法定後見】

8月 5, 2008

「保佐」は、「事理を弁識する能力が著しく不十分な人」について、家庭裁判所が「保佐開始の審判」をすることによって開始します。
「事理を弁識する能力が著しく不十分」とは、日常の買い物程度は一人でできるが、不動産や自動車など高額な物品の売買等の重要な行為は一人ではできない程度の状態を言います。
保佐開始の審判がなされると、保佐人が付されます。

保佐人には民法で定められた特定の法律行為(重要な財産の取引行為等)について同意権・取消権がありますので、それらの行為をするには保佐人の同意が必要となり、同意なく行った本人の行為は取り消すことができます。言い換えると、保佐開始の審判を受けた本人は、一定の重要な行為(金銭の貸借、不動産や自動車等の売買、自宅の増改築等)を、本人が単独で行うことができなくなります。これは、同意という手段で不利益な取引を予防し、取消しによって不利益の回復を図る意図です。

また、家庭裁判所の審判を通じて、法律で規定された以外の法律行為についても同意権・取消権を追加したり(同意権拡張の審判)、「特定」の法律行為について代理権を付与することができます(代理権付与の審判)。尚、その手続きは、保佐開始の申立ての他に、別途、同意権拡張の審判申立てや代理権付与の審判申立てをする必要があります。なお、同意権拡張の審判や代理権付与の審判を受けるには、本人の同意が必要となります。

【申立て手続き】
●管轄
本人の住所地(原則としては住民登録をしている場所)
東京都の場合、23区と諸島は東京家庭裁判所本庁の管轄になり、その他の市町村は東京家庭裁判所立川支部の管轄になります。

●申立人
本人、配偶者、四親等内の親族、成年後見人等、成年後見監督人等、市区町村長、検察官
※四親等内の親族とは
(1)親、祖父母、子、孫、ひ孫
(2)兄弟姉妹、甥、姪
(3)おじ、おば、いとこ
(4)配偶者の親・子・兄弟姉妹

●必要書類
《裁判所所定の様式あり》
・申立書
・申立書申立事情説明書
・本人の財産目録
・本人の収支状況報告書
・後見人等候補者事情説明書

《本人の確認資料》
・本人の戸籍謄本
・本人の戸籍附票又は住民票(世帯全部、省略のないもの)
・本人の成年後見に関する登記事項証明書(登記されていないことの証明書)
・本人の診断書(裁判所で定められた成年後見用診断書)

《後見人等候補者の確認資料》
・後見人等候補者の戸籍謄本
・後見人等候補者の住民票(世帯全部、省略のないもの)
・後見人等候補者の身分証明書(市区町村長の発行するもの)
・後見人等候補者の成年後見に関する登記事項証明書(登記されていないことの証明書)

《申立人の確認資料、その他》
・申立人の戸籍謄本(後見人等候補者と同一人物の場合は不要)
・申立人の戸籍附票又は住民票(後見人等候補者と同一人物の場合は不要)
・申立人の印鑑
・申立人の預金通帳のコピー(表紙から次頁までのコピー)

《本人の財産目録及び収支状況報告書を疎明するための資料》
・本人のすべての不動産の不動産登記簿謄本(法務局の発行するもの)
・本人のすべての預貯金通帳や証書の表紙から記帳されている全頁のコピー(最新の日付で記帳した通帳)
・本人のすべての有価証券(株,債権,保険及び投資信託)の残高証明書や通知書のコピー
・本人の負債を疎明する資料のコピー(金銭消費貸借書、負債の返済計画や残高を疎明する書面、本人と申立人又は候補者との間で債権債務がある場合にはその内容を疎明する資料(領収書等))
・本人のすべての収入を疎明する通知書のコピー(恩給、年金、福祉手当、高額医療費助成金、家賃や地代収入、源泉徴収票、確定申告書(付属資料を含む))
・本人の支出を疎明する領収書や通知書のコピー(施設費、医療費、住民税、固定資産税等、年金保険料、健康保険料、介護保険料、家賃(契約書))

≪本人の健康状態に関する資料≫
・要介護認定通知書又は介護保険証のコピー
・愛の手帳のコピー、身障者手帳のコピー

《本人を相続人とする遺産分割が予定されている場合の疎明資料》
・本人が相続人となっている遺産目録のコピー
・遺産分割協議書(案)のコピー(本人の状況に関する資料)

《候補者の状況に関する資料》
・候補者の収入を証する資料(源泉徴収票、確定申告書又は年金通知書)のコピー

●手数料等
・収入印紙800円(保佐開始事件について同意権又は代理権の付与事件の申立てをする場合には、さらに各事件ごとに800円分の収入印紙が必要となります。)
・収入印紙2600円分(登記用)
・郵便切手(裁判所によって異なります)
・その他鑑定費用

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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