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成年後見(法定後見・任意後見)、高齢者等の財産管理

保佐開始の効果 ―保佐人の権限― 【法定後見】

8月 5, 2008

不動産登記とは?登記は必ずしなければならないのですか?≪同意権・取消権≫
本人が、不動産や自動車の売買などの重要な行為を行うには、保佐人の同意が必要となります(これを、保佐人の側からとらえて、「同意権」と言います)。
本人が、保佐人の同意を得ずに行った場合は、本人及び保佐人はこれを取消すことができます。保佐人の同意を要する行為は次のとおりです(民法13条1項各号)

(1) 元本の領収、利用
「元本の領収」とは、利息、家賃、地代が生じる財産を受領すること。預貯金の払戻し、弁済金の受領も含む。「元本の利用」とは、法定果実の取得を目的とする、利息付消費貸借による金銭の貸付け、不動産の賃貸等。

(2) 借財、保証
「借財」とは、消費貸借契約により金銭を借り受けること。「保証」とは、借入金債務の保証人として保証債務を負担すること等。

(3) 不動産、その他の重要な財産の売買、担保権の設定
売買、用益物権(地上権・地役権等)又は担保物権(抵当権・質権・譲渡担保権等)の設定、賃貸借契約・使用貸借契約の締結及び解除、雇傭契約、委任契約、寄託契約、介護契約、施設入所契約等。

(4) 訴訟行為
民事訴訟法上は、本人が相手方の提起した訴え又は上訴についての応訴行為をする場合及び必要的共同訴訟の共同訴訟人の1人が提起した上訴について、本人が共同訴訟人として上級審で訴訟行為をする場合には、保佐人の同意を要しない。それ以外の訴訟については、同意が必要。

(5) 贈与、和解、仲裁合意
a 相続の承認、放棄、遺産分割
b 贈与・遺贈の拒絶、負担付贈与・遺贈の受諾
c 新築、改築、大修繕(その請負契約等の締結)

(6) 長期の賃貸借契約の締結(山林は10年、その他の土地は5年、建物は3年、動産は6ヶ月を超えるもの)
但し、形式的にこれらに該当しても、それが日常生活に関するものであるときは、保佐人の同意は必要ありません。
なお、必要があるときは、家庭裁判所は、本人や保佐人などの申立てにより、保佐人の同意を要する行為を追加することができます。
この追加部分は、必要がなくなれば取消す(削除)ことができます(これに対し、上記???の行為は、法律で規定された行為なので、削除することはできません)。
また、本人が不利益を受けるおそれが無いにも関わらず保佐人が同意しない場合には、本人は家庭裁判所に保佐人の同意に代わる許可を求めることができます。

 

≪代理権≫
保佐人には、本人に代わって一定の行為をする代理権はないのが原則ですが、本人が自ら契約をすることが困難であったり、負担である場合には、家庭裁判所は、申立てにより必要な範囲で保佐人に代理権を付与することができます(代理権付与の審判)。
但し、保佐の対象者は、判断能力が不十分とはいっても、ある程度の判断能力がありますので、代理権が必要かどうかの判断は本人に委ねられ、本人以外の者の申立てによって代理権を付与するには、本人の同意が必要となります。必要がなくなれば、代理権の付与の審判の全部または一部を取消すこともできます。
代理権は、どのような法律行為についても付与できます。財産上の行為だけではなく、介護サービスなどの介護や保健に関する契約、介護保険の認定申請、裁判手続や登記申請などの公法上の行為についても付与することができます。但し、婚姻、認知、嫡出認否等の身分行為や、医療同意等の一身専属的な行為は、代理権の対象とならず、遺言についても除外されます。
なお、代理権の付与がなされても、本人が保佐人の同意を得て自ら契約できることに変わりはありません。

 

≪追認権≫
取り消すことのできる行為を取り消さずに後から承認(追認)することも可能です。追認したときは、初めから有効であったものとみなされます。
したがって、本人の利益を損なうことはないと判断される場合には、追認することも可能ですが、一度追認してしまうともう取り消すことはできません。

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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