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家族信託の受託者が建物を建てたらどうなりますか?

11月 25, 2019

受託者が建物を建設した場合の手続き・法的取り扱いについてご説明します。

 

受託者が信託契約によって与えられた権限に基づき、信託財産たる金銭(信託金銭)をもって建物を建設した場合、新築の建物は当然に信託財産になります。

従いまして、委託者と受託者との間で別途「追加信託契約」の締結等は必要ありません

実際の流れとしては、下記の通りです(委託者は父親・山田父郎 、受託者はその長男・山田子太郎とします)。
まず、工事業者との請負契約を「委託者 山田父郎 受託者 山田子太郎」という肩書付きで契約します。
建物完成後の建築確認申請等は、肩書が付けられませんので、「山田子太郎」という個人名で申請します。
それに従って、新築建物の表題登記も「山田子太郎」個人で登記します。

そして、司法書士が行う所有権保存登記において、「所有権保存及び信託」として信託の旨が入りますので、建物の登記簿は最初から信託財産として公示されることになります。

ポイントは、下記のとおりです。

①信託契約によって建物の新築・建替えの権限が与えられていること

②建設業者との請負契約を受託者の立場で契約(肩書付きで調印)すること

③信託財産たる金銭で建物の新築・建替え資金を支払うこと

④建築確認・表題登記は、システム上受託者の個人名で行うこと

⑤「所有権保存及び信託」の登記できちんと信託財産であることを登記すること

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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