「清算型遺贈」とは、自分が亡くなったら、不動産など遺産の全部又は一部を売却処分して現金化し、その換価代金を遺言に基づき自分の希望する相手に遺贈する手続きのことを言います。
清算型遺贈における不動産登記手続きについて、事例を用いて簡潔にご説明します。
【事例設定】
◆遺言者:A
◆法定相続人:疎遠な甥B及び姪C
◆遺言執行者:甲司法書士
◆遺言内容:
「Aは、遺言執行者を甲に指定し、遺言執行者により不動産を売却させ、諸経費(葬儀費用、売却に要する費用、遺言執行報酬等)や負債を控除したのち、その残金をXに遺贈する。」
【登記及び遺贈手続きの流れ】
登記簿上の名義人は、被続人たるAになっていますが、このまま遺言執行者による不動産の売却手続きをすることはできません。
下記の3段階の手続が必要になります。
(1)相続人BCへの相続登記
登記申請人は、遺言執行者甲、相続人B、相続人Cのいずれでも単独で可
(2)遺言執行者甲から買主へ所有権移転登記
遺言執行者甲と買主との共同申請で、売買による所有権移転登記手続きをします。遺言執行者甲は、売主の立場として印鑑証明書を添付します。
(3)諸費用の精算後に残金をXに送金
遺言執行者甲は、売却代金から葬儀費用、仲介手数料や土地測量費用などの売却に要する費用、遺言執行報酬などを控除・精算し、その残金をXに送金します。
※ もし、Aに相続人がいない場合には、上記(1)の相続登記手続きに代えて、相続人不存在による相続財産法人名義へ所有権登記名義人表示変更が必要になります。
ただし、相続財産管理人の選任手続きはなされず、そのまま遺言執行者により売却手続きが進むことになります。
このお手続きは、専門性が伴いますので、早めに司法書士等の法律専門職にご相談下さい。
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