「リバースモーゲージ」とは、自宅を担保にして高齢者の老後の生活資金・リフォーム費用などを借り入れ、本人が亡くなった後に自宅を売却して一括返済する融資制度です。
老後の資金対策として有効な選択肢になり得ますが、利用するにあたっては、リバースモーゲージ特有のリスクや注意点がいくつかあります。
そこで今回は、リバースモーゲージの利用を検討する際の注意点について簡潔にご説明します。

~リバースモーゲージのリスク・注意点~
(1)長寿リスク
本人が想定以上に長生きをした場合、融資限度額まで使い切ってしまう(借り切ってしまう)リスクがあります。そうなりますと、生活資金の融資がストップし、生活が困窮する恐れがあります。
また、リバースモーゲージには、契約期間の無い「終身型」と契約期間の定めのある「有期型」の2種類がありますが、本人が生きている間に「有期型」における契約期間が満了してしまいますと、存命中でありながら自宅を売却して借入金を一括返済しなければならないリスクもあります。
長生きは喜ばしいことである反面、自分が亡くなるまで生活資金の融資を受けながら終の棲家として自宅で生涯を終えるという老後の生活設計が狂うことになりかねません。
(2)金利上昇リスク
リバースモーゲージの多くは、「変動金利」を採用しています。
したがいまして、将来的に金利が上昇すると、毎月の利息の支払い負担が増えたり、想定よりも早く融資限度額に達してしまうリスクがあります(金利が上昇しても返済額の見直しを5年ごとにしか行わない「5年ルール」が設定されることも多い住宅ローンと違い、リバースモーゲージの場合は利上げが行われるとすぐに返済額が増えるケースが多いです)。
(3)不動産価格の低下に伴う融資限度額引下げリスク
リバースモーゲージの融資限度額は、一般的に担保となる自宅不動産の評価額の50%~70%程度が相場であると言われています。
そして、融資する側においては、定期的に担保物件たる自宅の再評価を行っていて、不動産市場の低迷などで不動産価格(=担保価値)が下落すると、それに合わせて融資限度額が引き下げられることになります。
つまり、想定していた老後の生活資金の予算が足りず、生活に困窮することもあり得ます。
(4)自分で売却できなくなるリスク(認知症対策にならない)
リバースモーゲージは、融資に際して自宅に抵当権の設定をすることが一般的です。
しかし、所有者は本人のままですので、上記(1)~(3)のリスクが顕在化し、本人の生前に自宅を売却しなければならない事態が起こり得ます。
この際、本人が病気・事故・認知症などで判断能力が低下していると自宅の売却もスムーズにいかなくなります。
その場合は、本人に後見人を就けて、後見人から自宅の売却と根抵当権の抹消、リバースモーゲージの一発返済をすることになります。
つまり、高齢の自宅所有者にとって、何ら認知症対策にはなっていないということが言えます。
(5)推定相続人の理解を得ておくべき
リバースモーゲージは、本人が亡くなった後、その相続人が自宅を売却して一括返済することが原則となります。
したがいまして、もし相続人が自宅不動産を売却せずに所有し続けたいという希望があれば、一括返済をしなければならなくなります。
つまり、リバースモーゲージを利用する際には、自宅を相続人に遺すという選択肢は想定していないことを伝え、推定相続人(家族・親族)の理解を得ておくことをお勧めします。
(6)融資対象物件が限定される
担保物件となる自宅については、戸建てというのが一般的で、マンションは対象外となったり、立地や築年数などについて融資条件がより厳しくなったりします。
また、融資する側は、将来の売却時・一括返済時に手続きが滞るリスクを嫌いますので、買い手がつきにくい地方や郊外の物件は、対象にならないケースも少なくありません。
まとめ
上記のとおり、リバースモーゲージのリスク・注意点を十分に把握した上で、リバースモーゲージを取り扱う複数の金融機関に話を聞いてみることは重要です。
また、家族を交えて、弊所のような法律専門職にセカンドピニオンを求め相談されることもお勧めです。
以上、リバースモーゲージの利用を検討する際のリスク・注意点について簡潔にご説明しました。
当事務所は、東京都内はもちろん、神奈川・千葉・埼玉など東京近郊に限らず、Zoom等のリモート打合せも駆使しながら、全国エリアで対応しております。
リバースモーゲージを含めまして、老後の生活設計・資金計画などについて、ご不安な点・お困りの点等がございましたら、≪司法書士法人 宮田総合法務事務所≫までお気軽にご相談ください。




