不動産などの遺産を売却して複数の相続人が現金で分ける「換価分割」を検討されている方のなかには、「税金はどうなるの?」「誰が払うべきなの?」と疑問をお持ちの方も多いでしょう。
遺産を公平に分けられる便利な方法ですが、税金の仕組みを正しく理解していないと、思わぬ負担が生じるリスクがあるのです。
そこで今回は、遺産の換価分割に関する譲渡所得税について簡単に解説します。

遺産の換価分割に関する譲渡所得税とは?
換価分割をおこなう際、避けて通れないのが「譲渡所得税」の問題です。
これは不動産を売却して利益(譲渡益)が出た場合に課される税金ですが、相続人全員に納税義務が生じる点に注意しなければなりません。
「換価分割」は、売却手続きを簡便化するために、相続人の中から代表者一人を決め、その一人の名義で相続登記をし、当該代表者が単独で売却手続きを進めることが多いです。
この場合、不動産の登記名義人も売主も代表者一人になりますが、実質的には相続人全員が遺産分割協議で合意した割合に応じて不動産持分を取得した上でそれを売却したとみなされます。
そのため、各相続人が受け取った不動産の売却代金額に応じて、それぞれが確定申告と所得税の納税をおこなう必要があります。
換価分割に重要な遺産分割協議書の作成ポイント
(1)換価分割を行う旨を遺産分割協議書に明記する
税務上の課税トラブルを未然に防ぐためには、遺産分割協議書の書き方が非常に重要な鍵を握ります。
単に「売却して分ける」と決めるだけでなく、「換価分割のために便宜上、代表者の名義にする」という趣旨を明確に記載しておかなければなりません。
もしこの記載が漏れてしまうと、代表者から他の相続人へお金を渡した際に「贈与」とみなされ、多額の贈与税が課されてしまう恐れがあります。
法律の形式に則って、「換価分割」である事実を客観的に証明できるようにしておくことが賢明でしょう。
(2)売却代金の分配割合も遺産分割協議書に明記する
譲渡所得税の計算を正しくおこなうためには、売却代金を「誰が・いくら」受け取るのかを具体的に定めておく必要があります。
遺産分割協議書には、経費を差し引いた残額をどのような比率で分配するか、端数が出た場合はどう処理するかまで細かく記しておくのがポイントです。
分配割合が曖昧だと、後の確定申告で税務署から指摘を受ける原因になりかねません。
専門家に相談しながら、各相続人の合意内容を正確に書面に反映させることで、スムーズな相続手続きが可能となるでしょう。
以上、今回は、遺産の換価分割に関する譲渡所得税について簡単に解説しました。
遺産の換価分割に関する税務論点をしっかりと把握して、事前に対策をおこなうことで、余計な税金の課税トラブルを避け、円満円滑な遺産分割・資産承継を実現することができます。
もし遺産分割協議書の作成や相続税や譲渡所得税の計算について不安なことがあれば、早めに司法書士や税理士などの専門家へ相談してみましょう。
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