【辞任】
後見人は、被後見人の権利や財産を守るために、家庭裁判所から適任者と認められて選任されたわけですから、自らの都合で自由に辞任することはできません。
辞任するには、家庭裁判所に対し申立てをし、辞任を許可されなければなりません。
但し、被後見人の利益が安定して守られるように、後見人の辞任は「正当な事由」がある場合に限られます。
辞任が認められる例としては、病気や高齢、遠隔地への転居などによって後見人の職務を円滑に行うことができなくなった場合などが考えられます。
後見人が辞任した場合には、他に後見人がいる場合を除いて、速やかに新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。通常は「成年後見人の辞任」の申立てと同時に「成年後見人選任」の申立てをすることになります。
【解任】
後見人に不正な行為、著しい不行跡、その他後見の任務に適さない事由があるときには、後見監督人、被後見人、被後見人の親族、検察官の請求、又は家庭裁判所が後見人を解任する場合があります。
また、後見人が被後見人に損害を与えた場合には、その損害を賠償しなければなりません。さらに悪質な場合には、業務上横領罪などの刑事責任を問われることがあります。
※ 刑法第253条(業務上横領)・・・・ 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。
成年後見(法定後見・任意後見)、高齢者等の財産管理 法律相談トピックス
成年後見人等の辞任・解任 【法定後見】
8月 5, 2008