契約書作成・契約書のリーガルチェック

定期建物賃貸借制度の使い方

2月 8, 2007

1.定期建物賃貸借制度とは   ~定期建物賃貸借メリット~

定期建物賃貸借(定期借家)制度は、平成12年3月1日から施行された新しい制度です。
従来の借地借家法上の賃貸借契約は、
賃借人(借主)保護の観点から、「正当事由」が無ければ賃貸人(貸主)からの契約更新拒絶や解約の申し入れができませんでした。
これに対し、定期借家制度では、最初の契約で定めた期間が満了すると、契約は自動更新されることなく確定的に賃貸借を終了させることができるようになりました。
たとえば、契約期間満了後も賃借人が居住し続け、賃貸人がこれに異議を述べないような場合であっても、契約関係は確定的に終了することとなります。
建物は一度貸してしまうとなかなか立ち退いてもらえず、高額な立退料を払ってでも出ていってもらわざるを得ないというのが実状で、これが賃貸人に大変大きな時間的・経済的な負担をとなっていました。
したがって、新制度は、契約期間満了ともに賃借人に建物を明け渡してほしい賃貸人にとって、非常にありがたい制度です。

2.定期建物賃貸借契約の要件
定期建物賃貸借は借地借家法第38条に規定されていますが、要件として下記のものが挙げられます。
(1) 確定的な期間を定めること。 ※ この期間は、1年未満でも問題ありません。
(2) 公正証書による等書面によって契約すること。
(3) 賃貸人が賃借人に対して、予め定期賃貸借契約の内容(契約の更新はなく、
期間の満了とともに契約が終了すること)を契約書とは別の書面を交付して説明すること。
※ 貸主がこの説明を怠ったときは、その契約は定期借家ではなく、
従来型の借家契約(契約更新可)となります。

3.定期建物賃貸借契約の終了
定期建物賃貸借の契約期間が1年以上の場合は、貸主は期間満了の1年前から6ヶ月前までの間(これを「通知期間」といいます)に、借主に契約が終了することを通知しなければ、期間満了日をもって終了することを借主に主張できません。
通知期間内に通知ができなかった場合には、実際に通知した日から6ヶ月を経過した日をもって確定的に終了することになりますので、賃貸人としては、必ず期間満了の通知を忘れない様に気を付けなければなりません。
尚、期間満了前に、引き続きその建物を使用することについて当事者双方が合意すれば、再契約したうえで、引き続きその建物を使用することは可能です。

4.契約の中途解約(賃借人からの契約解約の申し出)
居住用建物(床面積200㎡未満のものに限ります)の賃借人は、転勤、療養、親族の介護その他やむを得ない事情により、自己の生活の本拠として使用が困難になった時は解約の申し入れをすることが可能です。
この場合、解約の申入れの日から1ヶ月を経過すると定期建物賃貸借は終了します。

5.借賃の改定の特約
定期建物賃貸借契約では、賃料の改定に関し、特約をすれば家賃増減請求権の適用はないものとすることができます。

6.経過措置について
施行日である平成12年3月1日よりも前に締結された賃貸住宅契約の更新については、「なお、従前の例による」とされ、契約の更新は従来どおり行われます。
また、定期借家制度導入前に締結された賃貸借契約を当事者の合意により終了させ、引き続き新たに同じ建物で同じ当事者が定期建物賃貸借契約を結ぶこと(定期借家契約への切替え)は、今のところ認められていません(借地借家法施行細則第3条)。

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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