「信託目的」とは、信託の設定によって達成しようとする目標・目的であり、受託者の行動の根拠・指針となる大変重要なものです。
商事信託であれば、信託目的は主に資産の管理・運用や定期的な財産給付となることが多いでしょうが、民事信託・家族信託においては、必ずしも資産運用や財産の定期的給付のみが目的とは限りません。
下記のように、様々な趣旨を信託目的として設定可することが可能です。
「自分の老後の安心設計のため」
「高齢病弱な配偶者の財産管理のため」
「認知症の配偶者の財産管理のため」
「障害のある子の生涯にわたる財産管理と生活費支給ため」
「財産管理が困難な子に代わって財産管理をするため」
「円滑な相続・事業承継を実現するため」
「浪費癖のある子の財産管理のため」
「資産の有効活用のため」
委託者は、自らの希望・想いを信託の仕組みに落とし込むべく信託目的の記載内容を慎重に検討し、受託者がその趣旨に沿って信託事務を遂行できるよう、明確に明示しなければなりません。
なお、訴訟行為をさせることを主たる目的として、債権(売掛債権や貸金債権)等を信託することはできません。