今朝(2016年10月19日)の日経新聞朝刊21面の≪Money&Investment≫の欄に
『認知症 信託と損保で備え』という記事が掲載された。
記事の内容は、認知症への備えとしての金融商品(金銭信託や損害保険商品)が
充実してきたという内容で、家族信託は選択肢の一つとして紹介されたのみ。
ミヤタのコメントも、『財産が少額の預金と自宅のみという人は、
信託や後見制度を利用する必要性は低い』とだけ。
誤解を招きかねない、かなり端折られたコメントになっているが、
その本来の意図は、次の通り。
≪親の判断能力が低下しても、親の預貯金を
キャッシュカード等で実際におろすことができ、それを親のために
きちんと消費できる体制を整えておければ、
必ずしも後見人による管理や信託受託者による管理をしなくても
家族が一枚岩で支える限りにおいて、法的にも税務的にも
問題は生じない。
自宅不動産も、売却して入所費用を捻出するのではなく、
家族が入所費用を負担するなどして親の存命中に自宅を売却する
可能性がないのであれば(自宅は必ず家族が継いでいく方針であれば)、
やはり後見制度も家族信託の仕組みも必ずしも導入する必要はない。≫
これを最小の文字数で新聞記者が表現すると、前述のような文章に
なってしまうのである。
裏を返すと、将来親の存命中に自宅等の不動産を売却する可能性がある方は
家族信託を検討する価値は大いにあるし、
親が定期預金で持っている金融資産については、少なくともATMでおろせるように
普通預金にしておくとか、あるいは家族信託契約で子に託すとか、
商事信託商品に移すとかの対策が必要になるのだ。
何はともあれ、この記事により、『家族信託』という仕組みが、
財産管理・資産承継の選択肢としてあることが、
さらに多くの方に認識されのであれば、とても嬉しいこと。