政府税制調査会が決めた2011年度税制改正大綱によれば、相続税の大幅な課税見直しが盛り込まれている。
具体的には、これまでは、基礎控除として下記?(現行制度)の計算式に基づき課税されていたものが、下記?(見直し案)になるという。
現行の基礎控除
5000万円(定額)+1000万円×(相続人の数)
見直し案
3000万円(定額)+600万円×(相続人の数)
これまでは、相続発生により相続税が課税されるのは全体の約4%程度といわれていたが、見直し案により6%以上を相続税の対象者とする意図のようだ。
税制改正によって、これまで相続税の心配をしていなかった家庭でも、改めて相続対策を迫られることになる。
また、現行制度でも相続税がかかるとして生命保険等で納税資金を確保する手段を講じていた家庭でも、課税対象額が増額されるのに加え税率も一部引き上げられるので、納税額が増えることへの新たな対応策の検討が求められる可能性がある。
これは、当事務所のおける相続対策としての生前贈与や遺言書作成の相談業務、相続発生後の遺産整理・遺言執行手続きにも大きく影響する動きだ。
法人税率の引き下げの件も含め、ねじれ国会で機動力・突破力の発揮できない民主党が最終的にこれらを実現できるのか、今後も注視したい。