その他雑感 司法書士のつぶやき

遺言と想い

9月 9, 2011

ご高齢の方からの遺言書作成の相談も結構多い。
先日も、自分亡き後に今身の回りのことでお世話になっている
親友やご近所の方に100万円単位で遺産をあげたい、
との相談があった。
聞けば、その親友やご近所の方もほぼ同じ世代だという。
現実的に考えた場合、高齢の遺言者と同世代の方に遺産を残しても、
それを受け取るタイミングで、果たして喜んでもらえるだろうか、
そのとき受け取る側(受遺者)はお元気であろうか、との心配が残る。
また、遺産をあげたい方のお子さん等には、直接お世話になっていないので
もしその方たちが先に亡くなっていた場合は、あげなくてもいいと
考えているようだった。
それであれば、老後の資金に困っていない遺言者だったので、
今その感謝の意持ちを生前に表す(生前にいくらかのお金を贈与する)のも
一つの選択肢ではないかとご提案した。
必ずしも、それがベストの選択肢かどうかわからないが、
将来の数百万より、今の『寸志』の方が、
相手に直接感謝の気持ちを伝えられるので
お互いにとって良いのではないかと思う。
中学の時に教わったことなので、その正確な表現は覚えていないが
『明日の1万円より、今日、今素直な気持ちで100円を差し伸べましょう』
というような主旨の話があった気がする・・・。
想いを伝えるのは難しいが、伝えられる相手がいてこその“想い”。
“想い”、大切にしたいものである・・・。

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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