昨年の12月に第二東京弁護士会が提出した『商業・法人登記制度に関する意見書』。
現在の商業登記制度における問題点を鋭く指摘している。
現行の登記制度では、監査役や取締役会設置会社における平取締役の就任時に印鑑証明書の法務局への添付が求められていない。
そこにつけ込み、一見信用力のありそうな株式会社が詐欺・違法行為に悪用されている実態を指摘しているのだ。
最近耳にすることの多くなった未公開株商法や社債商法の被害がその代表例。
この世に存在しない架空の役員が登記簿に記載され、経営責任を追及できないケースや、本人の知らないうちに勝手に名前を使われてトラブルに巻き込まれるケースもある。
以前は、役員の人数合わせのために『名義貸』(役員として名前だけ借りて登記簿に記載すること)が多く見られたが、“一人株式会社”が認められている今日、どちらかというと架空名義や名義の無断使用の問題がより重大な問題と言える。
前述の意見書のとおり、取締役や監査役の就任登記の際には、印鑑証明書の提出を求めるような制度改革に賛成だ。
弁護士会の意見書
1月 12, 2012