その他雑感 司法書士のつぶやき

引き際の美学

7月 4, 2013

プロ野球選手が、自分の思うようなバッティングやピッチングができなくなったことを理由に
引退をすることがよくある。
ファンとしては、衰えが見えてもなお現役で頑張っている姿をみたい心理もある。
同じプロでも、法律家の引き際はどうか・・・。
先日、弁護士会館内の本屋で、70歳を超えたおじいちゃん弁護士を見かけた。
レジで本を一冊買うのにもお店の人と会話が噛み合っていない。
耳が悪いのは傍で見ても分かるが、意思疎通できていないのは、
それだけの理由じゃない。
思い込みで一方的に話しているのだ。
困った店側は、店員三人がかりで対応。
次にレジを待つ人の空気も読めず、そのまま雑談を始める始末・・・。
後見人業務を多数行うミヤタとしては、高齢者への理解や寛容な姿勢は
持っている自負はあるが、ことプロフェッショナルの立場を考えれば、
こんな弁護士がクライアントのニーズを汲み取り万全の対応ができるのだろうか、
と首をかしげたくなる・・・。
最近の弁護士界の話題は、食えない新米弁護士が問題視されているが、
実は新米弁護士ばかりが問題なのでは無い。
終身の法曹資格がもたらす弊害も少なからずある。
ミヤタも、敵対する相手となった弁護士が耳が遠くて電話で会話が通じなかったり、
メールもFAXも無くて、やりとりが全て郵便で、ということもあった。
クライアントにとっていい仕事ができなければ、
プロの一線から身を引く勇気と美学が、プロ野球の世界に限らず、
どのジャンルのプロにも必要だろう。
自ら身を引く勇気も美学も持ち得ないのならば、
いっそ弁護士界も司法書士界も、免許更新制にするのはどうだろう・・・。
すべては、一般市民(クライアント)のため。
高齢で車の運転免許も返納しちゃうような人間が、
他人の人生をサポートできるのかっ!
このコメントが30年後の自分に返ってくることを覚悟の上で
日々精進したい。

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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