その他雑感 司法書士のつぶやき

“想い”の承継

12月 12, 2013

先月の11/15(金)、16(土)と一般社団法人日本相続学会の第1回研究大会があった。
ミヤタも理事として、大会実行委員の一人として、2日間丸々参加した。
基調講演は、聖学院大学 全学教授・東京大学名誉教授の姜尚中先生にお話を頂いた。
ミヤタは、受付等の裏方をやっていたので、最初から最後までお話を聞けた訳ではないが、
聴講者から「こころの相続」という内容が心を打たれた旨の感想を多く聞けたので、
第1回目の研究大会の基調講演としては、これ以上ない最適な講演だったと思う。
特にここ数年、相続・事業承継の対策を本当に数多くお手伝いさせていただいている。
そんな中、昨年くらいから相続・事業承継の専門家の方々とご一緒にお仕事したり
お話を伺う機会が多い。
円満・円滑な資産承継に関する業務の取り扱いが多い方ほど
最終的には、相続税対策(節税・納税資金対策等)や遺留分対策等の
法律論・技術論の問題ではなく、心の問題が一番重要だという精神論を
語られる方が圧倒的に多い。
相続は子育ての集大成だとか、家族会議が一番の争族対策だとか、
よく耳にする。
ミヤタも本当にそう思う。
親子・家族が相続の問題をタブー視せず、
相続は“想い”や“志”の承継という最も重要かつ高尚な話題であるという認識に立ち、
きちんと話し合うことが大切だとつくづく実感をする。
争族対策の第一歩として、「遺言を書きましょう」と言われることがあるが、
遺言を書く前に、まずは家族全員が揃って、笑顔で将来の話、
つまり親の介護や想いの承継の話ができれば、
恐らく争族は起きない。
遺言書なんて無くたって、恐らく揉めない。
円満・円滑な相続の実現。
それが「日本相続学会」立ち上げの理念であり、
ミヤタが司法書士としてお仕事をさせていただいている一つのモチベーションである。
最近よく目にする『争族(そうぞく・あらそうぞく)』という言葉が、
死語になると良いなと思う。

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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