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「認知症」だからといって諦めない!

「親が認知症と診断されたら何もできない」「親が認知症になったら財産が凍結する」という情報をネットや書籍、雑誌等で見かけて、家族一同青ざめつつも、なす術なしとして諦めていたご家族からのご相談は、少なくありません。

 

この情報は、ある意味間違っていませんが、実務上は大きな誤解を招く不適切な言い方になります。

正確には「親の判断能力が著しく低下又は喪失した場合は、法律行為(契約や遺言をすること)が有効にできなくなる。その場合は、自分で預貯金を下ろしたり、不動産を賃貸したり売却することができなくなるので、特段の備え(家族信託など)をしていなければ、成年後見人を就けるかどうかの二択になる。」ということになります。

「認知症」と一言で言っても、健常者の判断能力を100%としたときに、理論上「99%から0%まで」認知症に該当するということになります。

つまり、判断能力が80%や60%程度ある方は、買い物などを自分でして日常生活を普通におくれますし、契約や遺言をすること、預貯金を下ろしたり不動産を賃貸・売却することも可能です。

なお、「財産が凍結する」というのも正しい表現ではなく、例えば預貯金は、年金や家賃収入などは口座に入りますし、引き落としも従来通りされ続けます。

実際は、親の“本人確認”の手続きが乗り越えられず、金融機関の窓口で大きな金額を口座から下ろしたり送金したりすることができなくなる、という意味に過ぎませんので、親が認知症になった段階で、全ての財産がどうにもならなくなる訳ではありません。

 

「親のもの忘れがひどくなった」「親が認知症と診断された」といっても、あきらめずにまずは弊所までご相談ください!

まだまだ急げばやれることが沢山ある可能性があります!

弊所では、実際に親御さんに面会し、会話のやり取り、目つき(目ぢから)や表情、など複合的にみて契約行為の可否を判断しております。

もちろん、小職は医者ではありませんので、医学的な見地から判断する訳ではありませんが、自分が今どこにいて、誰と話し、どんな財産を持っていて、その財産を今後誰に託し、どうしてほしいか、などについて大まかな理解と意思表示ができれば、家族信託や任意後見、賃貸借、不動産売買などの契約や遺言をすることも可能なケースは沢山あると考えております。

 

もし、もはや手遅れで、親自身で法律行為ができないという事態になっても、直ぐに成年後見制度を使うべきかどうかはまた別の問題です。

社会福祉協議会や市区町村役場の高齢者福祉課、弁護士・司法書士の無料相談会、公証役場などでは、「親御さんが認知症になったら成年後見制度を使いましょう」という安易なアドバイスをされたという声を本当に多く聞きます。

しかし、一旦成年後見制度を利用すると、親が亡くなるまでずっと成年後見制度を利用しなければなりませんので、それに伴う事務の負担や経済的な負担を本当に理解をして後見制度の利用をお勧めしているのか、いささか疑問です。

成年後見制度の実務を知らない専門職が机上の理論で間違ったアドバイスするケースが頻出していることに心が痛みます。

 

また、ついでに言いますと、親が銀行まで自分で行けない健康状態になったときに、子がATMで親のキャッシュカードで介護費用を下ろすことや振り込むことを、あたかも犯罪行為に手を染めているかのような言い方をする人がいますが、それも大きな間違いです。

親のお金を子が下ろそうが、そのお金をきちんと親のために使うことは、やましいこと・後ろめたいことなど何もありません

堂々と下ろして、使ってあげてほしいです。

ただ、もし家族内が“一枚岩”ではなく、そのようなアクションを起こすことをいぶかしく思う家族・兄弟がいるのであれば、それは後のトラブル防止のため、横領等を疑われないような自己保身のためにも、請求書・領収書はきちんと保管し、使途不明金を一切出さない金銭管理をする必要があるでしょう。

もちろん、それも限界がありますので、子側の便宜上の対応で立ち行かない事態が生じた時(定期預金を解約したい、不動産を売却したいなど)に、初めて成年後見制度に利用について本格的に検討・実行すべきとなります。

 

何はともあれ、「認知症」と診断をされても、まだまだ法的にできる可能性がありますので、大至急、今できることを検討・実行しましょう!

弊所では、緊急対応も可能ですので、まずは弊所までメール又はお電話くださいませ!

 

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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