遺言書作成(遺言公正証書作成・遺言執行者就任)

手書きの遺言の様式に決まりはありますか?

11月 20, 2015

手書きの遺言書、つまり「自筆証書遺言」の様式(書き方)の決まりや制限はありません。

用紙は、便箋、レポート用紙、OA用紙、わら半紙、ノート・・・なんでもOKです。
字は、黒ボールペンはもちろん、筆や筆ペン、万年筆、青ペン、赤ペンでも構いません。
消去・変造が容易なので絶対に避けるべきですが、鉛筆書きでも効力自体には影響ありません。
書き方も、横書き、縦書き、自由です。

全文すべてを自分で手書きし、日付と署名と認印の押印があれば、自筆証書遺言としての要件は満たします。
つまり、よくある誤解ですが、遺言者の住所の記載が無くても、また実印の押印が無くても、あるいは封筒に入れて封印されていなくても、それらは遺言書の効力に全く影響しません。

このように、手書きの遺言とは、とても気軽に作成できるものなのです。
ちょっと余談になるかもしれませんが、いずれ公正証書遺言を作ろうと気張るよりは、そのための下書きとしてノートに文案を記しておき、そのついでとして、文案の末尾に日付と名前、認印の押印をしておけば、とりあえず遺言公正証書の下書きが立派な自筆証書遺言として効力を持つことになります。

『いずれいずれ・・・』と言っている間に事故や病気で遺言書を作れずに亡くなってしまう方がいるのは確かです。
そして、遺言者の想いは届かず、遺産分割で揉めてしまったケースを小職もいくつも見てきました。

これらは、防げた“争族”だったはずです。
遺言の下書きもないがしろにせず、リスクヘッジとして、自筆証書遺言の形式を満たしておく工夫も必要かも知れません。

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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