被後見人の居住用不動産を処分(売却、賃貸、抵当権の設定など)する必要がある場合には、必ず事前に家庭裁判所に「居住用不動産の処分許可」という申立てをして、その許可を得る必要があります。
その他の不動産については、基本的には後見人の責任で処分することができます。
但し、処分の必要性等について十分に検討のうえ、被後見人に損害を与えることのないように注意しなければなりません。
被後見人の居住用不動産とは、「被後見人が現に居住していたり、あるいは、今後帰住する可能性のある居宅及び同敷地」のことを言います。
居住用不動産は、被後見人にとって「生活の本拠」ですので、それらの処分は、被後見人の心身や生活に非常に大きな影響を与えることになります。
したがって、居住用不動産の処分については、事前に家庭裁判所に許可を求めなければならない仕組みになっています。
後見人が家庭裁判所の許可を得ないで被後見人の居住用不動産を処分した場合には、その処分行為は無効となります。
居住用以外の不動産の処分については、裁判所の許可は不要であり、後見人の責任で行うことができます。
但し、不動産を売却すれば費消されやすい現金となり、抵当権を設定すれば不動産の財産的価値が減少してしまいますので、むやみに処分することは望ましくありません。
処分にあたっては、その必要性等について十分に考慮し、被後見人に損害を与えることのないように注意しなければなりません。