共有不動産のリフォーム・大規模修繕は、単独所有の物件とは異なり、権利関係や税金面で注意すべき点が数多く存在します。
知らずに進めてしまうと、思わぬトラブルや税金負担が生じる危険性があるのです。
そこで今回は、共有不動産をリフォームする際の税務上の注意点をご紹介します。

共有不動産をリフォームする際の税務上の注意点
大規模なリフォームの場合は共有者の同意が必要
共有不動産におけるリフォームについては、その内容によって必要な手続きが異なります。
軽微な修繕であれば、「保存行為」として共有者のうちの一人が単独ですることもできますが、構造変更を伴うような大規模改修は、「変更行為(または管理行為)」に該当するため、工事内容や費用負担について、他の共有者の同意が不可欠です。
他の共有者の同意を得ずに工事を進めると、後から共有持分に応じたリフォーム費用の負担をしてもらえないなどのトラブルに発展しかねません。
贈与税が課されるリスクがある
共有不動産におけるリフォーム費用は、共有持分に応じて各共有者が負担することが原則となります。
したがいまして、共有者の一部が工事費用を全額又は過大に負担した場合、費用負担をしていない他の共有者に対して「贈与税」が課せられる恐れがあります。
本来は自己負担すべき費用を他の共有者が代わりに支払うことにより、経済的利益を無償で供与されたと捉えられるからです。
自己の共有持分を超えて工事費用を負担する際は、特に注意を払いましょう。
贈与税を回避・軽減する方法
共有持分に応じた費用負担が見込めない場合において、贈与税の課税リスクを防ぐ方策としては、リフォーム費用の想定負担割合に合わせて、事前に不動産の共有持分比率を変更(持分移転)しておく方法があります。
また、実際の費用負担に合わせて、事後的に共有持分比率を変えることも考えられます。
あるいは、リフォーム資金を負担する人と他の共有者との間で「金銭消費貸借契約」を結び、贈与ではなく、借入金である証拠を残しておくことも考えられます。もちろん、当該契約に基づいて、毎月少しずつでも返済をしてもらう形が好ましいです。
アパートや賃貸マンションなど収益不動産が共有となっている場合、大規模なリフォーム工事は、その負担割合の問題だけではなく、確定申告における減価償却の計算にも影響します。
したがいまして、リフォーム工事の正式発注や着工前に、必要に応じて、税務の専門家に工事内容や着工日・工事完了スケジュールなどを事前に相談することもお勧めいたします。
以上、今回は共有不動産をリフォームする際の税務上の注意点をご紹介しました。
無用な税務トラブルを防ぎスムーズに工事を進めるためにも、事前の権利関係の整理と計画的な資金準備を心がけましょう。
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