去る3月1日に、認知症患者を抱える家族に損害賠償責任は無い
とする最高の裁判決が出た。
事件の概要としては、認知症の高齢者が列車にはねられ死亡した事故で、
鉄道会社が遺族に請求した損害賠償を認めないという内容。
身内を介護する家族にとっては、決して他人ごとではない事件。
配偶者や子供だからといって、無条件に「監督義務者」として
賠償責任を問われる訳ではないという判決内容は、
妥当な判決なのだろう。
ただ、別の角度から見ると…。
今回はJR東海という大企業だったから、
損害賠償請求が却下されても、経営上微動だにしない話であるが、
もし被害を受ける側が、一般市民や零細企業だったら・・・。
監督義務者として責任を問えない事案の被害者救済はどうなるのだろうか…、
と別の不安もある。
介護家族向けの保険商品の充実など、加害者側のちょっとした備えで
介護家族も被害者側も救われる仕組みが必要ですね。