昨日の新聞記事で、ハローキティでお馴染みの
サンリオの辻邦彦副社長が急死した旨が掲載されていた。
邦彦氏は、創業者であり現社長の辻信太郎氏(85)の長男で、
まだ61歳の若さだった。
高齢の創業社長から長男への社長交代のタイミングを計っていた最中の
次期後継者の急死は、サンリオの後継問題に大きな暗雲をもたらした。
ミヤタも特に家族信託に力を入れてから、株式の自己信託や種類株等を
活用した円滑な事業承継のご相談に関わらせてもらうことが多くなったが、
サンリオの後継問題は、まさに事業承継の難しさを物語っている。
事業承継は、単なる経営権移譲のタイミングだけの問題ではない。
また、株式の生前贈与や遺言による株式の承継先指定により、
相続(争族)対策・税金対策だけの観点に立つだけでも万全ではない。
さらに、超高齢社会においては、サンリオのように後継者たる子が
親よりも先立つということが珍しくなくなってきている現状では、
後継者の急死により、子の配偶者(お嫁さん)や孫に株式が分散されて、
新後継者選びと経営権の掌握に悪影響を及ぼすような事態にも
備えなければならない。
中小零細企業では、ただでさえ後継者不在による廃業や事業譲渡の
問題も多いのに、後継者を決めていても・・・。
なんとも難しい問題だが、日本経済を支える中小企業が
事業承継問題がらみで減少してしまうことを防ぐような
お仕事もしていきたいものである。
サンリオにみる事業承継の難しさ
11月 23, 2013