親や親戚などが亡くなった際の相続手続きは、煩雑な手間と日数のかかるものです。
特に、故人が亡くなる前の生活・経済状況を把握できていない場合や、故人が遺言書を遺していなかった場合、法定相続人間の人間関係が希薄・微妙な場合などは、かなりストレスのたまる作業になり得ます。
また、手続きすべき作業も、下記のとおり多岐にわたります。
たとえば・・・
役所への届出、遺品の整理・動産処分、戸籍謄本等の相続関係書類一式の収集、財産及び負債の調査、各方面への債務及び諸費用の支払い、相続税の申告義務の有無の確認、遺産分割協議書の作成・調印、預貯金の解約払戻し、不動産の相続登記、自動車の名義変更又は廃車手続き・・・。
そこで、これらの遺産整理・相続手続きを、専門家に包括的にお任せすることも選択肢になります。
では、どのような専門家に任せるべきでしょうか。
今回は、遺産整理・相続手続きを「司法書士」に依頼するメリットについてご紹介します。
【メリット1:面倒な調査を代行してもらえる】
遺産整理・相続手続きにおける初期の重要な工程は、「相続人の調査」と「遺産の調査」です。
これらの調査は、相続人の人数や相続財産の数が少ない場合は簡単に行うことができます。
しかし、特に遺産調査は、手間がかかるケースも少なくありません。
たとえば、固定資産税がかからない不動産(私道部分)の漏れがないかを公図を見ながら確認したり、預貯金・有価証券については金融機関ごとに個別に問い合せなければならないなど、手間と時間がかかる手続きも多いです。
また、これらの調査に不備や漏れがあると、後になってトラブルに繋がるリスクがあるのです。
司法書士に依頼することで、調査の手間を軽減できるだけでなく、不備や漏れなく適切に調査をしてくれるでしょう。
【メリット2:相続登記を含め一括で任せることができる】
相続財産の中に土地・建物が含まれる場合、不動産の名義変更(相続登記)を行う必要があります。
そして、この登記手続きを主に取り扱う法律職は司法書士だけです。
弁護士も対応は可能ですが、不動産や登記手続きに詳しい弁護士は少ないです。
一方、司法書士は、不動産にからむ各種法律文書の作成や登記手続きを専門的に扱っているため、他の相続手続きと一括でスムーズに対応することができます。
【メリット3:相続人間の合意形成を図る業務に適している】
相続手続きの依頼先として、司法書士以外にも弁護士や税理士、行政書士などが挙げられます。
相続に関して既にトラブル・紛争が発生している場合は、最初から弁護士に依頼したほうが無難です。
しかし、相続人間の関係が疎遠という理由だけで弁護士に依頼すると、遺産分割に際して戦う意向だと誤解されるリスクがあります。
中立的な立場で相続人間の合意形成を図る業務は司法書士が得意といえます。
また、紛争事案を除けば、相続・不動産がからむ法律・法的手続きに関して、司法書士はほぼ全てに対応することができる点において行政書士や税理士よりも適しているといえます。
相続手続きでお困りごとやご不安をお持ちの方は、まずはこの分野の経験が豊富な司法書士に相談するといいでしょう。