受益者が有する「受益権」とは、信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であり、信託財産から一定の給付を受ける権利(「受益債権」といいます)です。
信託は、委託者がその財産(信託財産)を通して一定の目的を達成するために、受託者(民事信託・家族信託の場合は、この受託者が家族や親族になります)に財産を管理・処分させる制度であるため、受託者は信託財産のみをもって受益債権に係る債務を履行する責任を負うことになります。
委託者が設定する信託の目的、信託財産の管理・処分の内容は、委託者自身の個別的なニーズを実現するためのものですので、実現可能で適法かつ公序良俗に反しない限り、多様な受益権を構成できるのが信託のメリットの一つと言えます。