遺産相続手続・遺産整理・遺言執行

遺言執行者の任務(職務権限)

1月 7, 2010

遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します(民法第1012条1項)。

また、遺言執行者がいる場合には、相続人は、遺言の対象となった相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるような行為は一切禁止されます(民法第1013条)。そして、この規定に反した相続人の行為は無効となります(言いかえれば、遺言執行者が管理処分権の範囲外のものについては、相続人が自由な管理処分権を持つことになります)。

遺言執行者に就任した際の具体的な任務は、下記のとおりになります。

○相続人・受遺者へ遺言執行者に就任した旨を通知
○相続財産リスト(目録)を作成し、相続人・受遺者へ交付
○受遺者に対して、遺贈を受けるかどうかの意思確認
○(遺言による認知がある場合)市町村役場に戸籍の届出
○(相続人を廃除する旨の遺言がある場合)家庭裁判所に廃除の申立て
○不動産については、所有権移転登記手続
※「相続」を原因とした所有権移転登記は相続人からの申請も可。
○預貯金の解約・払戻し、貸金庫の開扉、有価証券その他財産の名義変更等の手続き
○受遺者への財産を引渡し
○(遺言による信託の設定がある場合)信託財産の受益者への引渡や受益者への通知
○相続財産の管理、その他遺言の執行に必要な一切の行為
○全ての手続き終了後、相続人や受遺者全員に業務完了の通知

上記のように遺言執行者がする具体的な任務をあげてみましたが、下記に遺言執行者でないとできない手続をまとめてみました。

≪遺言執行者のみが執行できる手続≫
(1)認知
(2)推定相続人の廃除又はその取消
(3)一般財団法人の設立
※遺言執行者がいないときは、家庭裁判所に申立てをして
選任してもらわなければ、遺言内容の実現ができません。

 

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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