その他雑感

証人尋問

先日貴重な経験をすることができた。
訴訟代理人として証人尋問をしたのだ。
司法書士は簡易裁判所における訴訟代理権を持つ。
つまり、司法書士は、訴額140万円までの裁判においては、
弁護士と全く同じように訴訟活動ができる。
ミヤタも事務所の主要業務の一つとして、債権回収等の訴訟活動をしている。
ただ、簡易裁判所レベルでは、証人尋問をしなければならないような複雑な案件はほとんどない。
通常は証拠書面のみで審理が進み、ほとんどの場合、和解に収まるケースが多いのだ。
今回は、原告・被告双方の主張が真っ向から対立していたので、
関係者の証人二名にきてもらい、証言してもらうことになった。
こちらサイドの証人には、どういう質問をすれば裁判官に有利な心証を効果的に与えられるかを熟慮し、
また、相手方証人に対しては、何をどのように聞けば相手の主張の不自然しをつけるかを検討する。
不謹慎かもしれないが、頭を使う作業で面白い。
依頼者側証人には、『人生において、証人として法廷に立つ機会は
そうそうない貴重な経験ですから、楽しみましょう』というようなお話をした。
その甲斐あってか、あるいはその証人の才覚か、
ともすれば慣れない法廷の雰囲気に緊張しがちなところだが、
気合い十分に前向きに臨んで頂き、ほぼ完璧に尋問をこなすことができた。
いや〜、こういう滅多にない経験がてきると面白い。
普段は法律の限界やそれに対するやるせなさを感じることも多いが、
なかなか戦局が見えない訴訟がいい方向にむかったり、
やっかいな事案がうまく和解でまとまったりすると、充実感は大きい。
こういう案件ばかりだと気分が楽なのだが、なかなかそうもいかない。
そもそも訴訟で勝っても、相手方に支払い能力がなければ
元も子もないからだ。
以前、同業の先輩に、『裁判業務は、喧嘩が嫌いな人はやめた方がいいよ』と言われたこどある。
今では、特に喧嘩好きではないミヤタもなんとかやっている。
訴訟しないで解決ができれば、本当にそれに越したことはない。
景気もいい方向に向かってないようだし、これから益々金銭トラブルは増えそうだ。
何事も穏便に解決できたらいいのだが…。

  • この記事を書いた人

宮田浩志(司法書士)

宮田総合法務事務所 代表司法書士

後見人等に多数就任中の経験を活かし、家族信託・遺言・後見等の仕組みを活用した「老後対策」「争族対策」「親なき後問題」について全国からの相談が後を絶たない。

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